〜スノー〜
そこは、閉じ込められた世界。
時間が切り取られたまま、
同じ景色だけが静かに続いている。
大きく揺らされるたび、
雪は舞い上がり、
ほんの少しだけ空気が変わる。
その合図は、いつだってあなた次第だ。
いつまで、手に取ってもらえる?
いつまで、興味を向けてもらえる?
いつまで、見える場所に置いてもらえる?
気づけば、薄い埃に覆われていないか。
忘れられた冬のまま、
静かに息を潜めてはいないか。
──そのスノードーム。
〜夜空を超えて〜
座席のシートベルトを締めた瞬間、
こらえていた涙がそっと溢れた。
これから飛び立つというのに、
胸の奥から思いが込み上げてくる。
今までの楽しかった思い出たち。
離れるなんて、考えたこともなかった。
だけど――また会えるよな。
どれだけ遠くへ行っても、
会いたい人には、会いに行けばいい。
そう思えば、いつだって戻ってこられる。
俺たちの絆は、夜空を超えて、
これからもずっと固く結ばれているのだから。
〜ぬくもりの記憶〜
公園を散歩していたら、
茂みの陰から小さな子猫がふいに姿を見せた。
人慣れしているのか、
迷いなく足に擦り寄り、
顔を押し付けては、
下から大きな目でこちらを見上げてくる。
しゃがみ込んで背中を撫でると、
安心したように寝転がり、
お腹まで見せてきた。
う〜ん、なんて愛らしいんだろう。
その小さな生命のあたたかさに触れた瞬間、
幼い頃に飼っていたチビ助のぬくもりの記憶が、ふっと蘇った。
──天国で元気にしてるかな。
〜凍える指先〜
しまった。
こんなに寒いなんて想定外だ。
寒さ対策の準備もせずに、
走り出してしまった。
しかし、
このままではハンドル操作に支障が出る。
どこかで買わねば。
信号待ちのたび、
凍える指先をジーンズで擦って必死に温める。
まさか——グローブに穴が空いていたなんて。
〜雪原の先へ〜
同僚と金曜の夜に出発し、
早朝に到着。
これがいつもの日程。
駐車場には、既に何台かの車が停まっていて、
それぞれが準備を進めている。
ワックスももう塗ってあるし、
あとは寒さ対策だけしっかりしておけばいい。
早々にリフトへ乗り込み、
辿り着いた頂上。
まだ雪面には、動物たちの足跡が残っていた。
——この足跡の向かう先を、そっと追いかけるように。
今日もまた、雪原の先へ踏み出していく。