NoName

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9/22/2024, 11:43:53 AM

声が聞こえる





だれかが鈴をつけたらだめって言ってた
そういうもんかと思いながらうっかり鈴をつけた
りぃんりんと鳴る度に
きみは抜き足差し足魚を狙ってたっけ

あれから何年経っただろう
鈴をつけたらだめだって言葉の意味がわかるまで
ちゃんとわかるまで
きみが居なくなることなんて考えもしなかった
だってきみはあんなに小さくて
鈴をつけていないとどこにいるかもわからないくらいだったんだ

鈴の音が聞こえなくなって
どれくらい経っただろう

風に吹かれた鈴の音がするたび振り向いてしまうんだ
きみがまた甘えて擦り寄ってきてくれるんじゃないかと
期待してしまうんだ

9/19/2024, 7:08:59 PM

時間よ止まれ






きみの輪郭が黄金に耀く夕暮れ
なによりも眩しい愛しい笑顔

これが夢だと知っているからどうか、

9/16/2024, 10:19:47 AM

空が泣く





普通の雨の日はそんなこと思わないのだけれど
気分が沈むときにはひと粒の雨でさえ味方につけて
一緒に泣いてくれると思いたい
寄り添ってくれると思いたい

おとなになると
だれかの前で泣くのは勇気がいるから
これは涙じゃないんだと
目に入っては流れる雨の粒なのだと誤魔化して

おとなになると
素直に泣くのは力がいるから
空が泣いているから
わたしもつられて泣くのだと言い訳して

どうしようもなくわがままなこの涙を
曇り空はそっと拭ってくれている

9/15/2024, 10:11:25 PM

君からのLINE





文字は音が聞こえない分だけ少し温度が低くて
「本当にだいじょうぶ?」
って聞きたくなる
のを
がまんして
どうかこちらの熱も
必要以上に伝わらないようにと願って
読まれるまでの時間と
読まれてからの時間を
返信が来るまでの期待と不安を誤魔化すのに使って

そんなこと露ほどにも知らないような短い言葉に
振り回されるんだろうね

9/13/2024, 12:25:18 PM

夜明け前





仄暗い空に輝く星と傾く月
燦然と耀く光のお出ましを待ち
暗闇に震える小さきものたちを励まし
暗闇に紛れる強きものたちを労い諌め

未だ見えぬ光にふかくふかく礼をして去っていく

貴方方の潔さと慎ましさがいつか陽の光を見るように

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