お題:夢と現実
現実とは、嘘と真が入り交じる世界。
夢とは、嘘みたいなことでも真にする、
その手助けをしてくれるもの。
嘘から出たまこと、
夢も信じ続ければ現実と成るだろう。
お題:さよならは言わないで
ガバッ!と布団を捲り、汗でびっしょりな手を見る。どうやら夢を見ていたようだ。まだドキドキと鳴っている心臓を落ち着かせるためにも、水を飲もうと部屋を出る。窓の外はまだ暗く、水を飲みながら時計を見ると、まだ朝の四時。随分と早い時間に起きたなと思いつつ、半分まで飲んだ水を一気に飲み干す。瞬間、景色がガラッと変わる。ここは…病院?時計はないが、外を見るにそう時間は経っていないのだろう。ガララ…ドアが開く。
「さよならなんて、言わないでね」
一歩部屋に入った女性の声、女性はそれだけ言うとまた一歩下がってドアを閉める。いきなり入ってきて自己紹介も無しに帰っていったよ。俺は水を一杯飲んだだけで死ぬのか?静かな部屋、もう一度窓の外を見て───
…自室のドアが見える。どうやら夢を見ていたようだ。外はまだ薄暗い。取り敢えず起きようと部屋を出て、時計を見る。朝の四時、夢と同じ時間だが、今回は水を飲み干してもそこは家だった。よく考えてみれば変な場所もあったな確かに。
あの女性が誰かは知らないが、誰か、俺に対してあの言葉を掛けてくれるのだろうか。「さよならは言わないで」と、自分との別れを悲しんでくれるのだろうか。そうだったら…少し、嬉しいかも知れない。
お題:光と闇の狭間で
「闇は光を吸収する」という印象がかなり強いので、狭間なんて存在しないのでは、というのが正直なところ(実際は知らないけど…)。でも、もし存在するのなら、それはどんなものなのだろうと考える。そこは恐らく眩しすぎず、かといって不安なほど真っ暗なわけでもない、安心できるような場所なのだと思う。
俺は我が儘なもので、一人だけの真っ暗闇は嫌いだし、まばゆい光の束に面と向かうのも苦手だ。なら「光と闇の狭間」なんてのはまさに天国ではないか?
───そんなことを考えている内に夜も更けてしまう。見上げれば空にはうっすら照らす月。この時間は、光と闇の狭間に近しい場所なのかもしれない。雲一つない晴れた夜、どこか落ち着くと思っていたがそういうことなのか?なんて思ったり。