年中アイス食べたい人

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お題:さよならは言わないで


ガバッ!と布団を捲り、汗でびっしょりな手を見る。どうやら夢を見ていたようだ。まだドキドキと鳴っている心臓を落ち着かせるためにも、水を飲もうと部屋を出る。窓の外はまだ暗く、水を飲みながら時計を見ると、まだ朝の四時。随分と早い時間に起きたなと思いつつ、半分まで飲んだ水を一気に飲み干す。瞬間、景色がガラッと変わる。ここは…病院?時計はないが、外を見るにそう時間は経っていないのだろう。ガララ…ドアが開く。

「さよならなんて、言わないでね」

一歩部屋に入った女性の声、女性はそれだけ言うとまた一歩下がってドアを閉める。いきなり入ってきて自己紹介も無しに帰っていったよ。俺は水を一杯飲んだだけで死ぬのか?静かな部屋、もう一度窓の外を見て───





…自室のドアが見える。どうやら夢を見ていたようだ。外はまだ薄暗い。取り敢えず起きようと部屋を出て、時計を見る。朝の四時、夢と同じ時間だが、今回は水を飲み干してもそこは家だった。よく考えてみれば変な場所もあったな確かに。

あの女性が誰かは知らないが、誰か、俺に対してあの言葉を掛けてくれるのだろうか。「さよならは言わないで」と、自分との別れを悲しんでくれるのだろうか。そうだったら…少し、嬉しいかも知れない。

12/3/2022, 10:30:11 AM