〜Dちゃん視点〜
「ここからはチームごとに分かれて活動しましょう。」
先生に言葉でみんなが一斉に動き出す。少しざわざわする体育館。私も自分のチームの所に行かなきゃだなぁ。それでも大して急がず、ゆっくり歩く。と、あることに気がついた。
「…Eくんも、同じチームだ…。」
誰にも聞こえないようにつぶやく。Eくんは私がひそかに想いを馳せている人。
チーム活動中、Eくんとの距離が近くなる。期待してはいけない。そうわかっているのに、どうしても期待してしまう。
〜Eくん視点〜
「ここからはチームごとに分かれて活動しましょう。」
先生の言葉を聞いて、俺は心の中でガッツポーズをした。同じチームには俺の好きな人がいる。ちなみに、その人が好きってことは、誰にも言っていない。ある1人を除いては。
(ある日の放課後、教室にて。)
「なあ、E。お前、好きな人とかいないの?」
突然、友達に聞かれた。不意打ちすぎて、何も考えずに
「うん、いるけど。」
と、正直に答えてしまった。
「えっ、えっ⁈いんのっ?誰、誰?」
はぁ。やっぱり食いつかれた。こうなったら仕方ない。正直に言おう…
「誰にも言うなよ?」
一言、釘を刺してから。
「俺が好きなのは、Dだよ。」
「はっ?え…D?」
「うん。そ。俺の好きな人はD。…絶対、誰にも言うなよ。」
もう一度釘を刺してから、何事もなかったように帰る。
(そして、今日に戻る。)
「…くん?Eくん?おーい。大丈夫?」
っ⁈
「…はっ、大丈夫っ、だ。」
やばい。これこそ不意打ちすぎて、心臓がバクバク言ってる。距離が、近いっ。やばっ、かわいいんだけど。どうしよ。何も言えずに黙っていると、
「おーい、E?可愛いDちゃんに見とれてないではやくするよー。」
はっ?
「ばっ、バカッ。言うなよっ。」
言うなって言ったのに、コイツはほんとに…
〜Dちゃん視点〜
「えっ、それって…。」
そんなこと言われたら、勘違いしちゃうじゃん。
📢作者から
このお話の結末は、皆さんで考えてみてください。もしかしたら、EくんとDちゃんは、両想いに⁈もしかしたら、Eくんの友達は本当はDちゃんが好きで、三角関係ができるかも⁈
何はともあれ、長くなったこのお話を最後まで読んでくださった皆様へ。
ありがとうございます。
「ひそかな想い」
〜Aちゃん目線〜
「あっ、あのさっ、この手紙、B君に渡しといてくれない?」
そう、声をかけた。
「え、なんで?自分で渡さないの?」
君はそう答えた。
「う、うん。勇気がなくて。」
この言葉から全てを悟ったらしい君は、すんなり手紙を受け取ってくれて、
「はーい。AさんからBくんへのお届け物、大切に運ばさせていただきまーす。」
と、冗談まじりに言い、去っていった。ちゃんと渡してくれるのかな。ちなみに、さっきの手紙の内容は、明日の放課後、体育館前で待ってる。来てくれるかな。不安。
〜C君視点〜
「あっ、あのさっ、この手紙、B君に渡しといてくれない?」
急にそう声をかけられた。
「え、なんで?自分で渡さないの?」
あんまり話したことないはずなんだけど、なんで俺?あ、Bと仲良いからか。
「う、うん。勇気がなくて。」
少し間があったが、そう答えたA。あぁ、この手紙は、ラブレターか。そう悟った俺は、「はーい。AさんからBくんへのお届け物、大切に運ばさせていただきまーす。」
と言って、すぐにその場から立ち去った。なんでかって?そんなの、聞くまでもないだろ。
あー、でも、どうしよ。こんなもん、渡せないよ。…仕方ない。心の中で、Aに謝って、手紙を開けた。丁寧に。中には、
「明日の放課後、体育館前で待ってます。」
という、至ってシンプルな内容だった。きっと、告白するんだろうな。結局、Bにこの手紙を渡さないまま、家へ帰った。
そして翌日の放課後。体育館前へ行くと、Aが1人で待っていた。俺は、なんて酷いことをしたんだろう。でも、もう戻れない。俺も勇気を出すんだ。
「A!」
名前を呼んだ。
「…?ぁ…」
かすかに聞こえた落胆の声。そうだよな。俺じゃ、ダメだよな。でも。でもっ、勇気を出すって決めただろ、俺。
「あのさ、A。」
黙って俺の言葉を聞いてくれてるA。怒っているのだろうか。呆れているのだろうか。仕方ないよな。
「まずは、ごめん。手紙を渡さなくて。あと、」
気まずい沈黙が流れる。
「好きだっ。ずっと、Aのことが、好きだ。」
そう言ってAのことを抱きしめる。ダメだってわかってるけど、この赤くなった顔を見られたくなかったから。抱きしめた君からは、
甘くて切ない香りがした。
「手紙の行方」
みんな、キラキラしてて眩しい。
例えば、好きなことに夢中になっている時とか。
私も、そうやって輝ける時が来るのかな。
君みたいに。
「輝き」
みんな、ありがとう。
先生、家族、クラスメイト、友達、そして、
私。
みんな、ありがとう。
つらいことも、苦しいことも、楽しいことも、嬉しいことも、全部が大切になる。
君と一緒なら。
友達と一緒なら。
みんなが支えてくれるから。
生まれてきてから、ずっと伝えられてなかった。だから今、伝えるね。今日出会ったあなたにも。本当に、
ありがとう。
「ありがとう」
「あっ、流れ星っ!」
夜空を見上げると、そこには流れ星があった。
「流れ星に3回願い事すると、叶うらしいよ。」
あなたが言う。何を願おう。
「あっ」
また流れ星。
君の隣にいられますように。
そう、願った。
君も、願ってくれているといいな。
「星に願って」