大狗 福徠

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1/21/2026, 4:58:32 PM

特別な夜
特になんともない深夜にこそ人は弱る。
何もないの状態異常が体を
締め上げて、溺れさせて、痺れさせて、視界を奪って、蝕んでいく。
そんな夜にあなたが偶然いた。
そんな夜にあなたは偶然私の隣に座った。
大丈夫だよ。
なにが、とかなんで、とか言われてもわからないけど、
でも大丈夫だよ、絶対大丈夫だよ。
そんな夜に、あなたは偶然そう、言った。
言って、くれた。
それだけで今日は特別な夜。
私の状態異常が解けたそんな夜。

1/20/2026, 4:19:27 PM

海の底

1/19/2026, 6:44:58 AM

閉ざされた日記
私は空虚だ。実に空虚だ。
平々凡々な人間が平々凡々な日々を過ごす。
全くもって面白くない。
谷がないのは良いことだけれど、山がないのはよろしくない。
全くもってつまらない。
もしこれが演劇であるのならば、駄作間違いなしだ。
トマトも生ゴミも四方八方から投げ込まれることだろう。
途中退席者も出るだろう。怒号さえ飛び交うだろう。
いや、いや。
それさえも、ないのかもしれない。
私の空虚は、演劇には。
誰も、何も、観客がいないのかもしれない。
私の空虚は正しく空虚のまま、誰にも観測されず愛されることなく。
正しく、正しく空虚のまま。
空虚のまま。空虚のまま・・・。
私は、私は正しく、虚しい。

1/17/2026, 1:35:57 PM

木枯らし
寒い木枯らしの吹く日にあなたは教えてくれた。
愛というものはね、最も手早くて簡易的な呪いなんだよ。
ずぶ濡れたコートみたいに、着ても脱いでも寒くって、
ぼろぼろの布団みたいに、あってもなくても苦しいの。
だから私は愛はいらない。
最初からなければ、知らなければなんともないのだから。
目の見えない人が、見えなくて可哀想
と言われてもわからないように。
耳の聞こえない人が、聞こえなくて苦しいね
と言われてもわからないように。
知らないことは、弱みだけれど大きな盾になってくれる。
だから愛を知らないままでいる。
これが私の選択。
でも、けれども。
木枯らしの吹く日にあなたが教えてくれたものは。
木枯らしの吹く日にあなたが与えてくれたものは。
あれは、愛ではないと言えるのか。言えるのだろうか。

1/16/2026, 10:59:02 AM

美しい
親愛なるあなたは火葬
敬愛なる貴方は海の底
愛惜なる貴方は空の彼方
愛しきあなたは夜の奥
ひと雫のあなたはぽしゃんと落ちきって、もういない。
夜の霞に消え去って跡形もない。
水垢みたいにこびりついて私に残った貴方。
洗剤をつけて洗ってしまえばすぐに落ちてしまうでしょう。
けれど、落としてしまう理由がないの。
だって、だってとても素敵にこびりついているから。
愛が、愛があるから。
親愛なる、
敬愛なる、
愛惜なる、
愛しき貴方。
火で焼けて、
海に沈んで、
空に飛んで、
夜に消えてしまった。
愛している、愛しているわ。
信じてくれなくったって、愛しているわ。
だから、いつか。
きっといつか、あの水垢を落としに来てね。
きっといつか、また水垢をつけに来てね。

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