大狗 福徠

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木枯らし
寒い木枯らしの吹く日にあなたは教えてくれた。
愛というものはね、最も手早くて簡易的な呪いなんだよ。
ずぶ濡れたコートみたいに、着ても脱いでも寒くって、
ぼろぼろの布団みたいに、あってもなくても苦しいの。
だから私は愛はいらない。
最初からなければ、知らなければなんともないのだから。
目の見えない人が、見えなくて可哀想
と言われてもわからないように。
耳の聞こえない人が、聞こえなくて苦しいね
と言われてもわからないように。
知らないことは、弱みだけれど大きな盾になってくれる。
だから愛を知らないままでいる。
これが私の選択。
でも、けれども。
木枯らしの吹く日にあなたが教えてくれたものは。
木枯らしの吹く日にあなたが与えてくれたものは。
あれは、愛ではないと言えるのか。言えるのだろうか。

1/17/2026, 1:35:57 PM