4/18/2026, 8:30:24 PM
覚えている。
レンガ畳の道。
甘い菓子パンの匂い。
活気あふれる朝の街。
ここには毎朝ベランダで布団を叩くお母さんがいて、このへんに広場があるんだ。
りんごのパイを焼いてくれるおばさんがいる。
タバコを吸いながら子供達に飴を配っていたおじさんがいて。
腰の曲がった老人が鳩に餌をやるんだ。
何もかも、この記憶に鮮明に焼きついているのに、目を開けるとそこにあるのは空白。
あったはずの、空も、地面も、風さえもなくなってしまった土地。
際限なく、どこまでも続く白。
地平線の境界すら見えない。
そこにある、鏡のような水面はまだかつてを覚えているだろうか。
結局、何にも無くなったじゃないか。
君が望んだ未来の果ては、輝かしい世界なんかじゃない。
壊れた、中身のない箱庭だっただけだ。
うん、1人でもできるよ。
教えてもらったもん。
だから、ちゃんと見ていてよ…。
約束…したのに。
嘘つきは、大嫌いだ。
4/17/2026, 6:14:31 PM
この季節が来ると、いつも飽きてしまう。
どうせこの後することもないのに、予定があると言って先延ばしにしてしまう。
悪い癖だよね。
昔からそう。
毎日飽きもせず続けられることなんて、今までほとんどなかったのに。
僕は変わらず、ここにいることだけはやめない。
それだけが、唯一誇れることのように感じる。
何もないここで、誰に誇っているのかもわからないのに。
あの子たちは元気にしてるかな。
次の時間に飛ばしても、見える景色は同じだから。
特別な日を、毎日繰り返す。
特別で、なんでもない日常を。
ただ季節がめぐり、繰り返すだけの時間を。
飽きたらおしまい。
次の時間に…。
意味もなく繰り返すの?
この長い時間を、「旅」だと呼ぶの?
君は、最初から自由だった。
僕のところには、風は吹かない。
波も立たない。
無限の時間と、思い出しか残らなかったのに。