あの人がくれた、アロマキャンドル。
香りは、ほぼ、飛んでしまっているけれど
鼻を、くっつけるほど近づければ、甘く優しい…花の香りがする
あの人が自分で調合して
頑張りすぎて、何も食べなかったり、眠れなかったり、倒れることもよくあった私に
作ってくれた、アロマキャンドル
もうあの頃には戻れない、あの頃みたいに話せない、私には、許される資格もない
けれど…、あなたとの温かく優しい記憶を、懐かしむことくらいは、どうか
許して
【キャンドル】
3人で毎日遊んだ公園
キラキラした思い出が
いっぱいいーっぱい詰まってる
春は、3人で桜を見てはしゃいで、木に登った
夏は、水風船で水遊びをして、はしゃぎすぎて3人とも怒られた
秋は、公園の近くで栗拾いをしたり、落ち葉を集めたりした
冬は、公園にたくさん雪が積もってて、3人で大はしゃぎして遊んだ
……小学6年生最後の冬、私は1人で公園に来た
2人にとってはもうゴミかもしれない
でも、それでも
私だけは、楽しかったあの日々を、忘れないように
【たくさんの思い出】
眩しいほどに、明るくて優しい友達
暖かい自分の居場所
夢なんじゃないかってくらい、優しくて暖かくて……幸せな時間
…そう、みんな優しくて…優しすぎる、綺麗すぎるんだ
私なんかとは、全然違う
本来この幸せなんてもの、望んじゃいけなかったのに
手を伸ばしてしまった、分かっていたのに…だめだって…
ちゃんと…離れるから、それまでは…あと、もう少し、もう少しだけ、
【冬になったら】
私の一番初めの友達で、大好きだった
でも…あの子は裏切った、いじめっ子と一緒に、私をいじめた
全部嘘だったのかな、あなたが私にくれた大好きだよって言葉も、ずっと友達だよ っていう言葉も
全部全部…、
…それでも私は嫌いになれない…、どうしようもなく みんな好きだから
きっと今でも、話のノリとか、そういうので
手をつないだりとか、子供みたいにぎゅってしたりとか、できるけれど
でも、どうしようもなく心は……
【はなればなれ】
かわいくて、ふわふわしてて、とっても可愛い子猫
たくさんの人から愛されて、羨ましいなと思った
けれど、私の前にいるこの子猫は、こんなに可愛いのに、
ダンボールには、拾ってください、っていう言葉すらなかった
もう何日もずっとここにいたのかもしれない この子猫は、今も降っている この雨でビショビショになって震えている
この子猫が私と重なってしまって、放っておけなくなった
あれから1週間くらい育てた、もう大丈夫だろう
きっとこの子はたくさんの人に愛されて必要とされる存在だから
新しい人のところに行っておいで、ばいばい
【子猫】