遠野

Open App
1/13/2024, 6:47:22 AM

この世が無常だなんて、そんなことはわかってる。

だからこそ永遠を願わずにはいられなかった。

君との時間。
絶え間ない幸せの連続は、願うには十分だった。

ずっとこのまま。叶わない願い。
少しでも、願ってしまったのがいけないのか。


記憶に鉛が絡みつくような、感じたことのない感覚。

君が、僕に残してくれた証だったらな。

それなら、このままでも、いっか。


「ずっとこのまま」

1/12/2024, 5:09:31 PM

家まで残り数十分。
あと一本さえ乗ればもう寒い思いはせずに済む。
なのに、お目当ての電車は現れない。

プラットホームは人もまばらで物寂しい。
おまけに容赦なく風が体温を奪っていく。

寒さが身に染みるこんなとき、恋しいのはあなたの…
と、思いを馳せようとしたそんなとき。
ポケットが震えた。

“晩ご飯できてるよ 今日は豆乳鍋”

あなたの特製豆乳鍋。私の大好きな冬の楽しみ。
エスパーみたい。
“ありがとう もうちょっと頑張る”


「寒さが身に染みて」

1/10/2024, 11:46:25 AM

三日月と聞いて何を思い浮かべる…かあ。

地球の衛星で、日光に代わって夜の世界を支配する光の光源。
言うまでもなく天体の「月」。
これが多分普通。


でも私的には断トツでクロワッサン。

サクサクの生地にバターの香りに、
適度に弾力のあるもちもち食感。

違う違う、それは今回関係ない。
クロワッサンはフランス語で三日月の意味なんだっけ?あの時の君のドヤ顔すごかった。

そうそうあの形ね。三日月で一番美味しいと思う。
月よりパン。


「三日月」

1/6/2024, 5:55:58 PM

それはエゴかもしれない。
食事を摂ることも寝ることも一人だってできる。

だがこれだけは声を大にして言いたい。

君と一緒にやるからいいんじゃないか!

この際言っておくと、
君が好ましく思っている私が作られる条件は、君が隣にいることだ。

だから、どうか。全て私の我儘にして、このままで。


「君と一緒に」

1/5/2024, 5:34:47 PM

久々の快晴と徒歩の外出が重なった。
昨日の気象予報士曰く、このような日のことを冬晴れというそうだ。何はともあれ喜ばしい。


青く澄んだ空の下、燦々と降り注ぐ陽光を浴びながら歩を進めていると。

猫、
猫。

いわゆる日向ぼっこだろうか、塀に陣取ってその身に光を受けている。
丸々とした体がゆっくりと上下に動く。

まるで、と君が脳裏に浮かんだ。


「冬晴れ」

Next