それはエゴかもしれない。
食事を摂ることも寝ることも一人だってできる。
だがこれだけは声を大にして言いたい。
君と一緒にやるからいいんじゃないか!
この際言っておくと、
君が好ましく思っている私が作られる条件は、君が隣にいることだ。
だから、どうか。全て私の我儘にして、このままで。
「君と一緒に」
久々の快晴と徒歩の外出が重なった。
昨日の気象予報士曰く、このような日のことを冬晴れというそうだ。何はともあれ喜ばしい。
青く澄んだ空の下、燦々と降り注ぐ陽光を浴びながら歩を進めていると。
猫、
猫。
いわゆる日向ぼっこだろうか、塀に陣取ってその身に光を受けている。
丸々とした体がゆっくりと上下に動く。
まるで、と君が脳裏に浮かんだ。
「冬晴れ」
気がつくと夜が更けていた。
なんだか目が冴えてしまって、しょうがなく夜を生きていた間に。
もしかして眠れた?
隙間から漏れる光、これは…日の出。
カーテンを開く。
眩しい。じんわりと染み渡る感覚がする。
そういえば君だっけな、言ってたの。
人間には、自然の美しさに感動する感情が組み込まれてるって。
「日の出」
この世は無常だ。そう思えば期待せずに生きることができる。
そんな信条でいるからか、俺はカメラで一瞬を切り取るのを好む。
二度と訪れない空気を閉じ込める、と言うとキザったらしいが。
だが最近、「俺」を揺るがす変化が起きてしまった。
君の存在だ。
モニターに映る姿を見ると、一瞬では物足りないと欲が出てしまう。
勘違いしないでほしいが、君の不変を望んでいるのではない。変化の永遠を君と共に…
こんなはずではなかった。
「変わらないものはない」
カーテン越しの月明かりも良いけれど、漆黒の夜も味わい深く、美しい。
雲一つない星月夜。いつまでも見ていられるわ。
貴方がいてもいなくても。
ところで。いまごろ、サンタさんは世界中を飛び回っているのかしら。
こんなに澄んだ夜空を駆けるのなら、よそ見にはくれぐれも気をつけて。
心配したって、サンタクロースはこどものため。
イブなんてかこつけて、夜にもたれる私は悪い子ね。
「イブの夜」