12/4/2025, 1:07:20 AM
身を切りつける冷たい風が容赦なく吹きつける。
空を覆う雲は灰色に染まり、そこから白い雪がチラチラと降ってくる。
マフラーに顔を埋める。僅かな温もりを逃さないように。
枯れ葉と雪片が風に攫われ、カサガサと侘びしい音を奏でる。
「お題 冬の足音」#139
12/2/2025, 12:43:18 PM
綺麗なリボンで飾られた綺麗な箱。
記念日に贈られたプレゼントは、想いが込められている。
まだ、覚めないで。
この蓋を開けるまで、まだ夢を見ていたい。
「お題 贈り物の中身」#138
12/1/2025, 11:13:26 PM
隔てるもののない、満天の星空は月がなく、冷たい空気が夜を満たす。
幾光年先の銀河が長い夜に横たわり、漆黒の空を埋め尽くす。
一等明るく輝く星々は冬の凍てついた闇夜を一際眩く照らしている。
「お題 凍てつく星空」#137
11/30/2025, 5:49:53 AM
鍵盤を叩いても、美しかった音色はとうに失われてしまった。
ホール中の観客、その1人1人が声を揃えて賛辞を送った演奏は、もう人の心を震わすことは出来ない。
荒廃した世界では、どんな音も届きはしない。
「お題 失われた響き」#87
11/29/2025, 2:09:52 AM
シンとした冷気が大気を満たす。
その鋭い空気は大地に触れれば氷を生み出し、土を凍てつかせる。
痛いばかりの静寂は、生き物に安らかな眠りを与える。
まだ、まだその時ではない。
肺一杯に冷気を吸い込み、覚醒を促す。
やっと、朝が始まる。
「お題 霜降る朝」#86