昼顔

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10/10/2025, 1:53:13 PM

そっと咲く一輪のコスモスの、儚くも美しい佇まいは、秋の訪れを囁くものだった。

「お題 一輪のコスモス」#81

10/9/2025, 11:56:21 AM

冷めた熱は程良い温もりに落ち着く。
浮足立った心は穏やかな波の様。
風は荒れ狂うのを止め、枯れ葉と戯れている。
ごくごく静かな昼下がり。
しかし二人がつないだ手には、確かな愛情が宿っている。

「お題 秋恋」#79

10/8/2025, 9:33:45 PM

行かないでと言ってしまえば、貴方はきっと困った顔をして、汽車から降りてくれるでしょう。けれど同時に、貴方の心は一生私に縛り付けられ、元に戻ることはないのでしょう。
海を渡る鳥の様に、自由に羽ばたくを辞めてその羽根を折ってしまえば、貴方は貴方でなくなってしまう。
私が好きになった貴方が、いなくなってしまう。
だから、私の想いを押し殺してでも。
「いってらっしゃい」
目一杯の笑顔で送り出す。
たとえ、貴方が帰って来なかったとしても。
貴方が最後に思い出すのは、私の笑顔であってほしいから。
列車が見えなくなった時、知らず知らず涙が零れ落ちた。

「お題 愛する、それ故に」#80

10/7/2025, 11:07:12 PM

目も耳も塞がなくていい。
波風の立たないこの場所で、私は安息を得る。
外界のあれもこれも、私には一切関係ない。
傷つけるだけの世界からおさらば。
此処には私だけがいるのみ。

「お題 静寂の中心で」#82

10/7/2025, 12:14:33 AM

パチパチと音をたてて爆ぜる火の粉。
宙を舞う灰は、意図もなく自然落下する。
終わった命が、最後の煌めきを放つ。
美しかった紅葉も、燃えてしまえば煤けた燃え殻に成れ果てる。
しかしてその命は大地に還り、新たな命を育む肥料となる。
こうして命は果てのない旅路を繰り返す。

「お題 燃える葉」#73

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