全てが朱に染まる。
長い長い沈黙の季節の前準備。
命がゆったりと間延びして、眠るための支度をする。
皆が家に帰ってゆく。
涼しげな風が夏の火照りを取り除き、これからやってくる冬の苛烈さを覗かせる。
色付いた紅葉が枝からはらりと舞い落ちる。
萌ゆる命の、その色を宿して。

「お題　秋色」#38

もしも世界が終わるなら、

きっと最低で最高で最悪なハッピーエンドだ。

「お題　もしも世界が終わるなら」#47

キュッと音が鳴りそうな程にきつく結ぶ。今後こそは解けないように硬く、硬く。
しゃがんだ体勢から立ち上がり、きちんと履けているのか確かめる。
うん、大丈夫。
次こそはちゃんと、走破出来そうだ。

「お題　靴紐」#35

何度も迷った。
その度に捨てようとした。
それでも諦めきれなかった。
どれだけ時が経ってもまだ。
どれだけ形が変わってもまだ。
私は、夢をみつづけてる。

「お題　答えは、まだ」#34

僅かな荷物と、傷んだ心。
背負うなら、このくらい軽いほうがいい。
地図も目的地も、歩きながら見つければいい。
旅とは常に、自由なものなのだから。

「お題　センチメンタル・ジャーニー」#39