9/7/2025, 11:40:30 AM
跳ねる水飛沫。
咲き乱れる傘。
行き交う人々。
不思議だな、君の水玉模様の傘だけは、どんな土砂降りでも見つけられる気がした。
「雨と君」#28
9/6/2025, 10:58:47 PM
楽しげな声が木霊している。
誰もいないはずなのに、目を瞑れば、それは亡霊の様に瞼の裏にありありと浮かんでくる。
1年、1年、また1年と、入れ替わる生徒達の、1人1人の思い出が刻まれている。
今はもう、遠くなってしまった木霊が今日も、誰もいない教室に響いている。
「お題 誰もいない教室」#32
9/5/2025, 10:25:40 AM
ほんの数秒が間延びして、時間が曖昧になる。
行き交う車
すれ違う人々
今、この瞬間にも出会い別れて行く人、人、人。
何も知らない、赤の他人達。
互いに自分のことで手いっぱいな人達。
いつかまた、この白線を渡るかもしれない誰か。
切り替わった青信号が、進めと歩みを急かす。
「お題 信号」#26
9/4/2025, 12:00:19 PM
言葉を飲み込んだ。
その方が楽だったから。
その時は楽だったから。
何度も何度も飲み込んで、それが癖になってしまって。
気づいた時には、何も言えなくなっていた。
自分が言いたかったこと、
言いたいこと、
飲み込んだ言葉は何だったっけ?
「お題 言い出せなかった「」」#24
9/3/2025, 10:18:16 AM
気が付かないで。
向ける目線も、
かける言葉も、
全部隠して、誤魔化して、いつも通りを装う。
じゃないと、もう戻れる気がしないから。
「お題 secret love」#30