目を閉じて耳を澄ますと今日も聞こえてくる。
虫の音や風が吹き木が揺れ葉っぱが重なりあう音。
海の波音。
私の落ち着く唯一無二の音たち。
※同性愛含まれます。長文失礼します。
この物語はすべてフィクションであり登場する方は
みんな架空の人物です。
授業が終わって放課後になり
私は保健室に真っ先に向かった。
ガラガラガラ…!
「あら柊さんどうしたの??」と
私に気づいた保健室のさつき先生は
私の方を向いてそう言った。
そして先生の隣に座っているのは職場内結婚した
旦那さんで私に気づいて一緒になって
こっちの方をみている。
「おい柊どうした?具合悪いのか」と旦那である
体育担当の藤山先生がそう言った。
体調悪いんじゃない…。
さつき先生に会いに来たのに。なんで藤山が隣にいるの。そこにふさわしいのは私なのに。
と私の心が醜い独占欲、嫉妬に駆られて爆発していた。
私はさつき先生と二人きりになりたくて途端に
嘘をついた。
「あっ!そうそう!藤山先生!校長先生が血相を
かえて先生のこと探してましたよ!
早く行ってあげてください」
「まじか!?俺なんかしたかな。ちょっと怖いけど俺行ってくる。じゃあさつきまた後でな。
柊、教えてくれてありがとな。」といった後、
保健室を出ていった。
そっか…。先生の事さつきって呼んでるんだ。
しかも、家に帰ったら先生の事独り占めできるなんて
ズルすぎる。
と心の中で言ったと思ったけど独り言のように
ボソボソと声に出てしまっていたらしい。
「あらあらヤキモチ妬きのさやかちゃん可愛すぎ」
とさつき先生に聞かれてて私の隣に来てたのにも気づかずに咄嗟に優しい声で耳元に近づき囁やかれた。
「こ、こども扱いしないでよ…。だって藤山のやつ
先生にベッタリしすぎなんだもん。」
「でも今からはさやかと2人きりの時間だよ。
ほらおいで。。」
と両手を広げてハグを待ってる体制をとっていた。
そういうところさつき先生もズルいよと思いつつ
私はさつき先生の言葉に甘えてハグをした。
さつき先生のシャツから香水の甘い香りが
ふんわりと匂い、しかも近くで先生の事感じれるのがとても幸せ…。
この関係を友達にも親にも誰にも知られたくない。
2人だけの秘密にしていたい。
私は奥さんには悪いと思ってるのにずるずると
この関係を続けてる。
今日こそは別れたい事を伝えよう。絶対。
でも…どうしてかな。
あなたの声や姿を見る度に心が痛んで
やっぱり話せなくなってしまう。
ねぇ…お願いだから優しくしないで……
あなたの事離したくなくなるから…
電車やバスなどの交通機関に乗る乗客や
今日もすれ違う散歩する人
友人や家族、外国人、先生、恋人、職場の先輩、
後輩、動物たち、子供、高齢者、店員さん、
ファミレスで賑わう夫婦や家族連れ、高校生たち。
唯一無二でありカラフルな色をした人間や動物たち。
誰1人として違う自分だけの
個性豊かな色を持ってる。
私は今日もその人にしかない特別で貴重な色を
観察する。
俺の主人格であるたけるは小さい頃から両親に
暴力を振るわれていた。
でもたける。俺を誕生させてくれたから
もう大丈夫だよ。
やっとこいつら大人しくなったから。
もう二度と君に暴力食らわせたりなんかさせない。
ここはもう楽園だから安心しな。