「好きな色」
何色が好き?
こう聞かれると、答えに悩んでしまうのは子どものころから変わらない。
好きな色がない。
というよりも、嫌いな色がない、と言ったほうが正しいかもしれない。
青が好き。と言ったところで、部屋の机を青にしようとは思わないし、青いケーキも選ばない。
赤が好き。と言ったところで、黄色いトマトも食べるし、鼻血が出ても嬉しくない。
好きな色を問われても「特にない」という面白みのない答えしか答えられない。
そういう面白みのない人間です。
「未来」
こどもの頃に、遠い未来だと思っていた大人になってしまった。
思い描いていた大人になっているか。
と問われて、なっている。と答えられる人は何人いるだろう。
毎日毎時毎秒、この瞬間にも未来が過去になっていく。
これから思い描く未来はなんだろう。
私はまだ未来を思い描けるのだろうか。
ワクワクした未来を思い描けるだろうか。
「街」
町で育った私は、大人になって街に住むようになった。
町には大きな道路もビルもショッピングモールもない。道路灯もなく、夜道は暗い
田んぼがあって、畑があって、近所付き合いがあって、偏見があって、差別がある。
街に憧れて、何かがあると思って街に出た。
街には、大きな道路もビルもショッピングモールもある。人もいるし、道路灯もあるし、夜でも明るい。
色んな服装の人がいるし、色んな国の人もいる。
やっぱり偏見もあって、差別もある。
夏にカエルの合唱は聞こえないし、秋のスズムシの声も聞こえない。田んぼもないし、畑もない。近所付き合いもないし、日向ぼっこする縁側もない。星も見えない。
たまに町が恋しくなるけど、私はまだ街にいます。
「岐路」
人生の岐路に立たされる
これは過去を振り返った時に、初めて
人生の岐路だったな
と気づくだけ。
しかし、それすらも、本当に岐路だったのか確かめる術はない。
案外、身近なところに、岐路は転がっているのかもしれない。
「誰にも言えない秘密」
秘密を共有することは、その関係を特別なものにする。
共有することで、その秘密がとても大切なものになったように感じられる。
一方で、たくさんの人と秘密を共有すればするほどその秘密の価値は失われていく。
では、誰にも共有されない秘密はどうなのだろう。
自分しか知らない秘密を持つことは自分自身の価値を高めるのだろうか。