11/15/2023, 3:37:21 AM
秋の風は
抜けた日向の匂いがして
触ると軽く
噛みしめるとほの苦い
遠くに置いてきた
郷愁の風景に似ていて
待ってくれているようで
気が付くと
とっくに去って姿が見えない
(秋風)
11/10/2023, 3:10:41 PM
緩く流れる川の縁
剥げた地面を囲む
色を無くした草の群れ
女の子の宝物があった(※)
かつて あった
そんな想像を巡らしながら
視点を薄い曇天に向ける
雲が 速く 流れている
空の
カラの
季節
風に揺れて
一斉に穂を飛ばす
手招きしているようにも見える
無色の
骸骨の 手の 群れ
茫々と
亡々と
(ススキ)
(※)岡崎京子の「リバーズ・エッジ」による。
11/9/2023, 2:29:44 PM
レンズみたく
屈折して 反射して
映してるなら
逆さまね 今
浮かんで過った
貴方の表面は
焼き付けるには
光が足りない
(脳裏)
11/8/2023, 2:46:08 PM
無意味な時間と
言葉と 感情を
無意味のまま
共有出来る
貴方が大好き
今の二人に名前を付けないでね
(意味がないこと)
11/7/2023, 2:50:40 PM
貴方と私が
絵になったら
きっと綺麗でしょう
映画になったら
凄くつまらない ありきたりの
駄作
思い出す時はいつも 静止画
私のレンズで
切り取った 貴方
そこに私はいなくて
でも
見ていたのは私で
背景が海でも 暗い部屋でも
クリアに
私は貴方を写したよ
思い出すのは貴方だけ
想像するのは二人の姿
だから
二人の絵は綺麗だよ
ぼんやりしていて
綺麗だよ
(あなたとわたし)