haru

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緩く流れる川の縁
剥げた地面を囲む
色を無くした草の群れ

女の子の宝物があった(※)
かつて あった
そんな想像を巡らしながら
視点を薄い曇天に向ける
雲が 速く 流れている

空の
カラの
季節

風に揺れて
一斉に穂を飛ばす
手招きしているようにも見える
無色の
骸骨の 手の 群れ

茫々と
亡々と


(ススキ)


(※)岡崎京子の「リバーズ・エッジ」による。

11/10/2023, 3:10:41 PM