haru

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11/6/2023, 2:43:29 PM

この程度なら濡れながらでも帰られるのに。そうしないのはもう少しこうしていたいからかしら。

薄淡く光る曇天。
足早に横断歩道を渡る人達。
同じ制服、制服、制服。
予報外れの雨はそれでも控えめに、生徒達の足を急がせる。立ち止まらせる程の強さも無く、音さえもしない。
うわー、まじか。
駅まで走れば大丈夫でしょ。
いけるいける。
よし、いくかあ。
笑いながら外に飛び出す男の子達。一体何が可笑しくて。
そうして私はもうずっと、生徒玄関でこうしている…一体何が楽しくて。濡れて困る理由なんて無いのに。
いつもなら遠くに聞こえる運動部の喧騒も聞こえない。人がいなければ静かなのだ、ここは。
ただの雨なのに、ね。

なんだかもどかしくなって

私はようやく歩き出す。
雨なんか降ってないみたいに、いつもの速度で。あえて、あえて。
ちょっとだけ、皆と違う風にしてみようかなって。
違うのに、いつものように、だなんて変だけど。

雨は温い
私を少しだけ湿らせる
その程度だったよ。



(柔らかい雨)

11/5/2023, 2:41:11 PM

ここは夜だ
私がカーテンを閉めたから

ヒステリックにまでしてきっちり閉めたのに、どうしても完全には閉じてくれない。
どうしてもどうしても、繋がっていなければいけないか。
一筋であろうと照らされる。浮き彫りにされる。明かされる。羞恥。醜悪。嫌悪。
夜だって言ったのに。
私が決めたのに。

光は、世界は
私を見つけて逃がさない

絶望のまま観念して
丸くなって目を閉じる
世界はやっと夜になる
窓に背を向け
暖かさに刺されながら


私は私の
子宮で眠る



(一筋の光)

11/3/2023, 2:48:55 PM

そこはほら、あれ
催眠術の要領で
そう念じたらそうなるよ
だから大丈夫
少女よ
君は可愛い


(鏡の中の自分)

11/2/2023, 2:44:26 PM

一番ぐっとくるの
夜行性の人
私より
ずっと後に眠る人

深夜の高速道路を
コンビニエンスストアを
ラジオの交通情報を
ソーシャルネットワーキングサービスを
頼らなくて良い
眠らない人を探さなくて良い

いってきます

いってらっしゃい
に似てる
安心を確認して
私は意識を離す

眠りにつく前
最後に見る姿は
いつもの背中でいてね


(眠りにつく前に)

11/1/2023, 2:24:24 PM

あんたの好きな
永遠とか運命とか
ガラでもなけりゃあピンともこないけど
私の心はいつでも素直だよ
それこそ永遠に
惚れるならそこだけに惚れて
ばーか


(永遠に)

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