お題『子供のように』
子供のようにマネキン達が俺とだるまさんがころんだゲームを楽しでいるような感じは……。
1ミリもない、そりゃそうだろう。
マネキンだもんな。無表情から急に笑顔になっていたらそれはホラーなんだよ。
いや、勝手に動いている時点でもうホラーか(苦笑)
数を数えては振り返る、そして動いた人を指名する。
指名された人は鬼の側に行き捕まったことになる。
ひとりまたは数名の度胸ある人が鬼の背中にタッチし、捕まった人を鬼の側から解放するという、簡単なルールだ。
しかし、この場合…マネキン達一人ひとりに名前はないので、どうしよう。指差しでいいのか?
何か個別判断できそうなものはと、マネキンから目を離した瞬間だった、一体のマネキンがスーッと動いたのを俺は横目で見逃さなかった。
「お前、動いたよな」
そう言って人差し指を動いたマネキンへ向けた。
するとマネキンはガタガタと震え出し、その場で胴体や頭、手足がバラバラに崩れた。
元に戻る気配のないマネキンをみて、子供のようにゲームを心から楽しんでいたのは俺の方だったようだ。
End
お題『放課後』
半信半疑で俺は再びカーテンの方へ向き直った。
そして3秒数える。
「1、2、3」
3秒経った瞬間マネキン側へ振り向く。
「!?気のせいじゃ……なかった」
数体のマネキンが僅かに動いていた。
このまま振り向かずにいたらマネキン達に押し潰されてしまう。
ん?ちょっと待ってくれ。なんだか知っているぞ!
あれだ!あの遊びによく似ている。
小学校の低学年だった頃、俺のクラスでは小学校のグランドで放課後、暇な奴ら集めて皆んなで【だるまさんがころんだ】をしていた。
つまりだ、俺はマネキン達からだるまさんがころんだゲームに強制参加されたってことかーーーー!?
End
お題『カーテン』
オブジェ部屋にもカーテンはあった。
【東】の方角に壁に埋め込まれたカーテンレール、そして上から緑色→黄色→最後は白色といったグラデーションに色が分かれた綺麗なカーテンがかかっている。開けてみるとやはり窓はなかった。
一体このカーテンは何を表しているのか、考えてもわからないがこれもヒントなのだろうと俺は開けたカーテンを閉め直し、数体いるマネキンとマリア像の方へ体を向くと、目線が皆、俺に向けてられている。
俺がマネキン達から背を向けた瞬間動いている気がするのは気のせいだろうか。
End
お題『涙の理由』
先ほどドアを作ると決めた俺は、真実の口のオブジェや石像の置いてある部屋に移動しようと思い、南壁から4つめの黒い点を見つけ指で穴を開けた。
そしてその中心には隣の部屋(オブジェ部屋)との壁が一切ないと判断した俺は壁紙を蹴破り、見事移動することに成功した。
成功したがこのオブジェ部屋にはドア作りに適した材料はあるのだろうか。
そう思い部屋の探索をする。
マネキンに混じって聖母マリアの石像を発見した。
マリア像の両目からスーッと赤い血の涙が流れている。
この涙の理由を数年前にネットで知った。
どうやら「災いの前兆」や「世界で起きる未来が悲劇であることを伝えている」らしい。
もしかしてこれから俺に災いや悲劇がやって来るのだろうか……。
End
お題『ココロオドル』
真実の口のオブジェから言われたことが頭から離れない。
『部屋から出るには何がいるのか』
俺は思考を巡らせ、そして閃めいた。
この感情はとても言葉では言い表せないほどココロオドルような気持ちだ。
小学生の時、図工の授業にも似た感情があった。何を作ろうか。どんな作品を、どんな絵を描こうかと心躍らせながら考えたもんだ。
今から俺は脱出する為に〔ドア〕を作ろうと思う!
End