詩栞堂―シカンドウ―

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3/7/2024, 10:12:34 AM

暗い夜に流る薄墨が
滲んで境を隠す 滲んで舌を伸ばす

宵の薄絹十重二十重
月も黒絽の向こう側

山影は手招く
いざや 根の国は彼方
    根の途は此処にありやと
さやさやと名を呼ばう
いざや 黄泉路往け
    黄泉平坂此処にありやと

宵の薄絹十重二十重
月も黒絽の小夜衣

猫か狐か叫び声
隣の障子に躍る影は誰のもの 誰のも

墨引き際のかはたれに
引き連れて佇むひとぞ笑む


薄衣の向こう(お題:月夜)

3/7/2024, 3:34:42 AM

息ができないくらいに絡めとって
逃げられないように
そうして僕がここにいるって伝えて
厭になるくらいに

日課のおはようも
続いていくさ この先ずっと

いつからだろう
君をこんなにも傍に感じるのは

息ができないくらいに絡めとってあげる
逃げられないように
そうして君がここにいるって伝えてあげる
厭になるくらいに

きっと僕達は
続いていくさ この先ずっと

君がどう思ったって
続けていくさ この先ずっと


絆(お題)
(意味
きずな:断とうにも断ち切れない人の結びつき
ほだし:自由を束縛するもの。手枷足枷。さし障り)

3/5/2024, 9:07:57 PM

たまに運動してみたり
たまには仕事に行ってみる
たまに動画を見てみたり
たまには写真を撮ってみる
たまに早起きしてみたり
たまには猫をなでてみる
たまに買い物してみたり
たまには遅くも起きてみる

「たまに」しかない僕の人生 数珠繋ぎ
かろうじて 細い糸で繋がっている


たまには(お題)

3/4/2024, 11:40:07 AM

きみがこれを読んでいる頃には きっと
わたしは遥か遠くへいるのだろう
あの美しい 青い星を夢に見ながら

後悔はしていないさ 寂しくても
きみとの思い出に 満足してしまう前に
きみとの思い出だけ 胸に抱えて
青い星を夢に見ながら

きみが絶望したときに
いつかまた 逢いにゆくから
大好きなきみに


大好きなきみに(お題)

3/3/2024, 11:42:26 AM

くすくすと ひそやかに
あかいしきもののした
きかんげんてい ひみつきち

きょうはたのしい ひなまつり
ひそやかに ひめごとを


ひなまつり(お題)

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