君を僕の腕の中に閉じ込めてしまいたい。
どこにも行かないで欲しい。
渡り鳥のように、いつかこの腕の中から飛び立ってしまう日が来たら
果たして僕は耐えられるだろうか。
いっそ、籠の鳥になってほしい。
でも、縛り付けたいわけじゃない。
自由に生きて、笑う君を見たいのに、それを許すことを恐れてしまう僕はなんて弱いのだろう
歌は誰かの背中を押したり、手を差し伸べたり、隣に居てくれるようなもの。
泣きたい時に「泣いていいんだよ」と言ってくれるような。
勇気が欲しい時に「大丈夫!」と信じてくれるような。
いつだって私たちの世界には歌がある。
今日も明日もその先も。
歌は。音楽は。私たち一人一人の味方でいてくれる。
大切な物は宝箱にしまって、鍵を閉め、腕の中で抱きしめて守りたくなる。
けれど、この両手で抱きしめられるものは限られている。
全部を大切にしたくても取りこぼしてしまうものは増えた。
だから私は、大切なものを1つずつ手放した。
慈しみ、別れを惜しみ、手放した。
手放した《大切だったもの》が、誰かの《大切なもの》になってくれることはないことを知っている。
小さい頃。夢に描いたなりたいものはなんだったか。
純粋無垢な子供が夢見た大人は、とてもかっこよくて、ヒーローに見えた。
いつしかその《大人》が近づくにつれ、夢を見ることもなくなった。
今の自分では、誰かのヒーローにもなれやしない。
だけど、自分の仕事が誰かの今日や明日を送るための一助になれていたのなら
《ヒーロー》ではなくても、誰かを支えることは出来ているのではないだろうか。
友達としては《好き》だけど、恋人になりたいとは思えなかった。
浪費家なところとか、無頓着なところとか、
私と相容れない部分もあって。
でも友達としてはいい人だと思ってる。
楽しいし、異性としての意見も気軽に聞けるし。
だからこそ、好きにも嫌いにもなれなくて。
友達以上の関係、とか考えたことも無い。
君もそう思ってくれていたら、この関係性は長く続くのだけど。