瑠璃

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大切な物は宝箱にしまって、鍵を閉め、腕の中で抱きしめて守りたくなる。


けれど、この両手で抱きしめられるものは限られている。

全部を大切にしたくても取りこぼしてしまうものは増えた。


だから私は、大切なものを1つずつ手放した。

慈しみ、別れを惜しみ、手放した。


手放した《大切だったもの》が、誰かの《大切なもの》になってくれることはないことを知っている。

5/17/2025, 9:02:35 AM