《愛を注いで開く花》
芽吹くか分からない種を播く。
ひたすらに愛を注ぎ、いつか訪れる【その日】を信じて。
馬鹿にされても、自分を。この種を信じて愛を注いだ。
いつか芽吹き、花が開くその日を待ちわびて。
大好きなあの人を信じ、応援してきたことは間違いじゃないと。
いつか必ず、あの人の努力は結ばれると信じて
今日も私はあの人へエールという名前の愛を注ぐ。
《仮面の下に画した本音を》
「大丈夫だよ!」
いつも君は笑って言う。
お願いされても断らなくて。
どんなに大変な状況でも、涙を流したとしても、
すぐに笑顔を作って「大丈夫」と言う。
優しくて、自分のことより人のことを思ってしまう君。
何でもないよ、なんて言葉もよく聞いた。
頑張らないと、なんて言葉も聞いた。
でもね。
そんな言葉と表情の裏に隠れた本音を聞かせて欲しい。
「苦しい」「辛い」「悔しい」「嫌だ」「悲しい」
そんな言葉を吐き出す場所に、私はなれないのかな?
励ます言葉も慰める言葉もかけるだけ無責任かな。
なら、無言でいいから君の隣で手を握ってあげたい。
抱きしめてあげたい。
君の心に触れたいんだよ。
《運命共同体》
仲間、ってなんだろう。
家族でもなくて、友達でもなくて、恋人でもない。
赤の他人ってわけでもない間柄。
特別な関係のひとつだとは思うけど、独特な関係性。
「運命共同体、ってやつかな」
「なにそれ、かっけー笑」
「身内みたいな赤の他人ってそれじゃない?」
「血の繋がりがない家族的な」
「言えてる笑」
そんなことを思える"仲間"に出会える人は、きっと幸せ者だろうな
《狭間の世界》
自分には《推し》がいる。
年に数回。もしくは年に一回。最悪は年に一度も会えない事もある。
だけど、会えた時のあの高揚感。
同じ場所で同じ空気を吸っていることの喜び。
まさに夢のようなひとときを味わえる。
そして終わったあとの現実感も味わう。
扉一つ。チケット一つ。
夢のような現実の世界で会える喜びも、夢から醒めたような現実感も。
全て教えてくれたのは《推し》だったよ。
《この杯を》
「さよならだけが人生、なんて言葉があるけど。またの再会を約束して、今はこの杯を受け取って」
そう言って君がなみなみと注いだグラスを僕に渡す。
僕はそれを受けとり、笑って、乾杯した。
「さよなら、なんて寂しいから言わないよ」
「そうだね。またいつか」
「うん。約束」
いつかまた、ここで君と笑って酒を飲める日が来る日を願って。今は一度、お互い別の道を歩もうか