沫雪

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3/7/2024, 2:00:33 PM

#月夜

「なんでお月様は着いてくるの?」

手を繋いだ子どもが尋ねてくる。

「そう?お月様着いてきてる?」

保育園のお迎えの帰り道。

冬なので暗くなるのも早い。

そんな中ちらちら後ろを振り返りながら不安そうな顔をしている。

「うん!絶対着いてきてるよー」

「ちーちゃんがちゃんと帰れるか、お月様も心配してるのかもよ?」

「そーなのかなー?おうちまで来る??」

「お月様大きいからなー!おうち入れるかな?」

眉間に皺を寄せる小さい顔が可愛らしい。

「そしたらご飯作ろ!」

「何作るの?」

「オムライス!」

「まんまるの?」

「まんまるの!」

「お手伝いする?」

「する!」

手を引かれるようにして走って帰った。

3/6/2024, 2:34:30 PM

#絆

「久しぶり、元気にしてる?」

何年ぶりかの幼なじみからの電話だった

「どしたの?急に連絡とか。何かあった?」

そう聞くと、

「いや、なんかあったのあんたでしょ」

と言われた。

「なんか胸騒ぎしたんだよね」

そういう彼女に驚きが隠せない。

泣き出しそうな嗚咽混じりに声が出なくなる。

「なんで分かるの?」

「SNSの写真とか見て何となく」

「私なんか病んでる投稿とか上げてないよ?天井写真とかしてないし」

「そんなの無くてもわかるの」

「エスパーかよ」

「ねえ、どこに居んのよ?」

「……公園」

「市役所の側の?」

「うん」

小さい頃から良く遊んだ公園だ。

「時計塔のとこで待ってなさいよ。飲み行くわよ」

「え、顔ぐちゃぐちゃなんだけど」

「あんたの顔なんて誰も見ちゃいないわよ」

「うわ、ひど」

有無を言わさない彼女の言動に笑いが込み上げる。

普段から連絡取り合うほどに今は親しくないくせに、

こんな時にさっと気付いてくれる彼女。

自慢の幼なじみである。

3/5/2024, 4:00:54 PM

#たまには

深呼吸して、

周りを見渡してみるのもいいんじゃない?

いつも行かないような公園とか山とかいってみてさ

そういうとこが無理なら

早朝のベランダでもいいよ

ぐっと伸びをしてさ

それとも逆に

引きこもってみて一日寝てみる?

休み潰れて勿体ないなとかどうでもいいから

洗濯日和だなとかすらどうでもよくて

ただグダグダ過ごしてみるのもありだよ

毎日頑張ってる君に

上手い気分転換になる事があるといいね

3/4/2024, 1:07:25 PM

#大好きな君に

今これを見ている君は何歳でしょう?

きっと今まで色んなことがあったと思います

今までの楽しいこと、嬉しいこと、悲しいこと、辛いこと

その全てが君を形作っています

その時に傍に居られなくてごめんね

一番傍に居てあげたかったけど、

それは叶いませんでした

どんな人に育ったのかとても楽しみにしていました

どんな節目にも立ち会いたかった

近くには叶わなかったけど

少し遠い所から見守っていますからね

私の事は忘れてもいいのです

君には未来があります

どうか心身ともに健やかに過ごせますように

明日の君が今日の君よりも少しでも輝いていますように

祈りを込めて

3/4/2024, 6:58:12 AM

#ひなまつり

ぼんぼりに灯をつけた

十数年ぶりにお雛様を出したのだ

「ちゃんとお雛様飾らないと行き遅れるよ」

とは昔からよく聞かれる通り、

私は見事に行き遅れている

もっとも

飾らないのも昨今の住宅事情によるものだし、

同い年くらいで結婚していない人なんて珍しくもない

でも、街中で流れているひなまつりの歌を聞いた時

自分のお雛様の顔を見たくなったのだ

「中々飾れなくてごめんね」

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