目が覚めると、私はいつも考える。
ここでもう一度夜になってほしいと願ったら、時が戻ったりしないだろうか。
職場の人々から完全に自分を忘れ去られて、はなから仕事なんてなかったことになっていればいいのに。
くだらない願望とともにせり上がる朝日がいつも憂鬱。
私の当たり前は、いつでも非常識。
普段何気なく生きていて、幸せに生まれてきたと思っていたけれど、その中で当たり前だと思っていることが、他の人には異常らしい。
理解できる人が身近にいない。合わせないようにしているだけかもしれないけど、「なるほどね」とさえ言ってくれる人もいない。
自分の今までの幸せな生活が、「悪いこと」みたいに言われるのが一番哀しい。
木々の茂る暗闇から遠くを見据える。街の明かりは星空の延長。二人で眺める人間の生活の印は、星と同じくらい手の届かないものに思えた。
「今日は星が綺麗だから、一緒に見に行こうか。」
彼の一言をきっかけに、私は山の上へ連れて行かれた。
生身を持たない彼は、時折この山の頂上からあの街を見下ろすのが趣味らしい。人間の営む全く知らない暮らしが、明かりの数だけ見渡せる。その一つ一つの中にも各々違った生活が見える。私にはただの小さな明かりの集合体にしか見えないが、彼は明かりの"中身"まで見通せるのだという。
「時は動いているのだな…。」
私を抱きながら、彼はどこか物悲しげに呟く。
時の流れから追放された彼には、間違いなくあるはずの「今」の景色は、ただ形のある絵巻のようなものなのだろう。
私は、彼に寄り添って言った。
「今の私は、あなたと同じ時の中にいるよ。」
遠くに見える明かりの群れが、気づけば少し減っているように思えた。
七夕のお願い事
自損した車が早く直りますように
めちゃめちゃお金かかっちゃうだろうな…
本当に嫌になる
自分がもっと嫌いになる
死にたくなる
この道の先に死神がいる。
それぞれの道は短いか長いかの違いだけ。
どれだけ道のりが単純であろうと複雑であろうと
行き着く先は 皆同じ。