5/30/2023, 12:24:29 PM
ただ、必死に走る私。何かから逃げるように。
己の生さえ否定しなければ身が持たない。
自身を取り巻く全てから目を背けなければ、脅威と見なした全てを前に目を塞がなければ、辛うじて足の指先一本で支えられている精神が崩壊してしてしまう。
自分の居場所も知らず、信じず、ただひたすら真っ暗闇を走る。
何にも心を許さず、感じぬよう努め、近づいてくるものに見向きもせず、自分の知る自分を臓腑の底に押し殺しながら、生の終わりを追いかける。
5/29/2023, 12:56:57 PM
先祖代代受け継がれたマントを、彼は自分では纏わない。
ただ一人、愛した人を守るためだけに、光の差さない常闇のような漆黒を広げる。
腕に抱えたぬくもりがマントの内側で呼吸をする。
細く白い首筋に血の滲んだ噛み跡が見える。
「ごめんね」
唇を紅く濡らした彼が、切なそうに呟く。
ともに永遠であるためには、愛する者の生き血を啜らなければならない。
見た目ではどんなに小さくても、心には深く大きく残る傷を刻まなければならない。
たとえ相手がどんなに大切であっても――。
それが、彼の受け継いだ一族のしきたりだった。
5/28/2023, 2:06:51 PM
半袖の季節になって 君の「君自身」がもっと見えるようになった
君を君たらしめている色、産毛、血潮、曲線、すべてが振り向いた先にある
幻なんかじゃない、この世に生きた紛れもない「人間」の君を 「人間」としてそばに置きたい
5/26/2023, 11:45:31 AM
月に願いを 星に誓いを 雲に思いを 日には畏れを
風に叫びを 雨に嘆きを 雷に愚痴を 虹に歓喜を
見上げればいつも「聞き手」がいる
5/25/2023, 1:34:33 PM
いつまでも降り止まない、雨
止まない雨はないなんて、本当につまらない綺麗事だ
雨が止むのを願い、信じ続けて生きたって
結局どれだけ進んでも
雨の先は雨しかない
雨が降り止むことなんて
もうはなから信用していない