ひらりって、どんな音?
葉っぱが待って、何かが飛んで、僕が避ける。
このどれもがひらりである。
ただ、全て言い換えることが出来る。
ふわり、パッと、するりと。
「じゃあ、ひらりって言葉はその3つの言葉のお母さんなの?ひらりって何?どんな音?」
小学2年生の春、君はそう言いましたね。
あの時は答えられなかったけれど、今ならわかる。
「きっと、そうさ。そしてそれを僕たちが気づいていくことが、言葉の優しさに気づくってことなのさ」
僕はつぶやく。
すると後ろから、僕より先に優しさを見つけた人の声がする。
「あの時からひらり、ひらりと逃げつづけて。一体いつ優しさを見つけるの?」
どうやら僕は上手くやってきたつもりだったが、もうかなり前から地面に足をつけていたのかもしれない。
一体、こんなところに誰かしら?
一体、こんな時間に誰かしら?
だれ....お頭!?
ひっ!すいやせん決してふざけていた訳じゃあありゃせん!
この若いのが、怖ぇ話を聞いて、例の場所での今日の見張り番ができねぇとかほざきよるんですわ。
それで...その..ちょいと脅かしてやろうと思いまして...
おい!お前!!!なんで俺がっ、クッソぉ~
『cute!な想いに、cool!なお返し!』
「バレンタインデーとホワイトデーの間における、男の頭の中の研究報告書」に書いていた一説です。
まぁなんとアカデミックなことでしょう!!
君と虹を見た日。
素晴らしい景色に感動したし、それを2人で共有できたことに喜びをおぼえた。
今でも僕の頭にかかる虹。
少し経って、僕と君の両方が色弱であると判断された。
しかも2人とも見える色が違ったらしい。
じゃああの虹の美しさは共有できてなかったのか。
美しさの本質は、感動の本質はなんだ。
それは物なのか、色なのかそれとも...
この虹を忘れないでおこう。
コーヒーでも飲みながらゆっくり考えて、死ぬ直前には答えをださなくちゃな。
「空を自由に飛びたいな。」
でも、それってきっととても疲れるものなのではないかと思う。
歩く時、気を緩めて落下することは無いけれど、飛ぶとなれば話は別だ。
それに鳥たちの羽は凄い筋肉で動いているらしい。詳しくは知らないけれど、枝のような腕の私には到底考えられる話ではない。
じゃあどうやって空を飛ぼう?
飛ばなければいい。
地面から離れなければいい。
筋力はなくても創造力、空想力はある。
芝生に大きなガラスを敷いて。
その上を、駆ける。
私は今、夜空を踏みしめた。
この広大な宇宙を踏みつけたのだ。
神様にもできはしまい。もう、怖いものはない。