ひらりって、どんな音?
葉っぱが待って、何かが飛んで、僕が避ける。
このどれもがひらりである。
ただ、全て言い換えることが出来る。
ふわり、パッと、するりと。
「じゃあ、ひらりって言葉はその3つの言葉のお母さんなの?ひらりって何?どんな音?」
小学2年生の春、君はそう言いましたね。
あの時は答えられなかったけれど、今ならわかる。
「きっと、そうさ。そしてそれを僕たちが気づいていくことが、言葉の優しさに気づくってことなのさ」
僕はつぶやく。
すると後ろから、僕より先に優しさを見つけた人の声がする。
「あの時からひらり、ひらりと逃げつづけて。一体いつ優しさを見つけるの?」
どうやら僕は上手くやってきたつもりだったが、もうかなり前から地面に足をつけていたのかもしれない。
3/3/2025, 1:28:08 PM