理想郷――別名ユートピア。この地球上には存在しない理想が実現されている世界。
いじめや虐待、犯罪がなくて、みんな平等。理不尽な仕打ちもない。食べ物にもお金にも困らない、理想の世界。……あるわけないじゃん。まぁ、「この地球上には存在しない」からこそ理想郷なわけだけど。例えば、いじめだってなくならない。最近の技術はすごいものでコンピュータでそういう結果が出ているらしい。いじめ0を唱えるのは悪いことではない。ただ、減ったように見えて、実は理想郷とはほど遠いことに気づかなければならない。同じように格差も犯罪も虐待もなくならない。
――理想郷と現実を比べると哀しくなってしまう。だから、これ以上、考えないようにする。
懐かしく思うこと。2年前に流行った曲。
懐かしく思うこと。ちっちゃい頃に見ていたEテレ。
懐かしく思うこと。集団下校。
懐かしく思うこと。1人で泣いていた路上。
懐かしく思うこと。引っ越す前の、あの家。
懐かしく思うこと。ポロリと涙が零れる合唱曲。
懐かしく思うこと。小学校の卒業証書。
懐かしく思うこと。「漢ド」と略された漢字ドリル。
懐かしく思うこと。100点のテスト。
懐かしく思うこと。秘密基地。
懐かしく思うこと。名前を忘れたドラえもんの映画。
多分、2年後懐かしく思うこと。自分に失望した自分。
多分、5年後懐かしく思うこと。くよくよ悩んでいる自分。
……5年後は笑えていたらいいな。
「物語」とは何を差すのか。人生?小説?ただ、「もう一つの」だと?小説ならスピンオフ、人生なら特別な時間かなぁ。
僕にとっての人生は勉強して、遊ぶこと。中3だとそんなものだろうか。ただ、このアプリで文章を書いている時間だけは特別だ。ゲーム、YouTube、勉強(?)が趣味だった僕の初めて触れた未知のもの。僕は創作物を人に見せたりということをしてこなかった。LINEもしていなければ、InstagramもXもしたことがない。小説を書いても、それは自分の机の中にしまっておいた。だから、自分から発信するということは未知の体験。今までの人生と比べると、明らかに異質だった。これを書いている時が僕のもう一つの物語。
ええと、改めて、いつも僕の書く未熟で拙い文章に付き合っていただきありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
僕は、猫だ。前世が猫だったのではないか、というほど。猫派だし、狭い所が好きだし、暗がりも好き。
……体は柔らかくないけれど。
勿論、僕は前世など信じない。というと面白くない奴と思われそう。なので、前世は猫、ということにしておこう(何を言っているんでしょう)。暗がりの中で、猫は何をしているんだろう。大体の動物は夜に周りを見ることができない。ただ、猫科の動物は目の中に反射板みたいなのがあって、夜でも周りが見える。僕は周りが見えない。だから、猫ではない。暗がりの中で貴方は何をしている?
僕のしていることも貴方には見えない。猫じゃあないから。僕達のしていることは猫には筒抜けなんだろうなぁ。
……僕は紅茶というものを飲んだことがない。午後の紅茶は、ある。その通の人からすれば、そんなもの紅茶のうちに入らないだろうか。
すなわち、僕は“本当の”紅茶の香りを知らない。でも、なんとなくだけれど、紅茶って格好良いイメージがある。名探偵が飲んでそう(イメージね)。
僕達人間は未体験のことを想像で補おうとする。
朝、僕は母に起こされ目を覚ました(いつもは起こす側)。厨房からは紅茶の香りが漂ってくる(厨房も紅茶の香りも知らないが)。朝日に目を細める(細めたことなどないが)。
どうだろう、この短い文章にこれだけの嘘が隠されているのだ。嘘で塗り固められたこの文章に貴方は疑いを抱かない。こんなもの、想像で補えるのだ。