3/2/2025, 1:41:10 PM
朝の早い時間。
変わりのない誰もいない教室で、「あら?」と小さく声を上げる。
机の中、見覚えのない物に手が当たった感触をそっと手繰り寄せる。
「…チョコレートの…紙箱?」
取り出したそれをガラス製品みたいに持ち上げて、箱の底を見る。
どこにも名前はない。
私が入れた覚えもないし…
「…誰かしら?」
誰かしら? #191
(この前、本格的に百合にも手を出してしまった…)
3/1/2025, 1:39:03 AM
「…さむいな…」
こんなことなら温もりなんて知らないままでよかったのに。
あの日の温もり #190
2/27/2025, 1:49:04 PM
「今日は三回…」
小さな手帳の今日のところに、3、と記入する。
最近の数字を見て、漏れていたため息。
2と3が多くて、次に1が多い。4以上はめったにない。
「先々月は…」
喪失感と期待のなかページをめくる。
埋め尽くしてるのは、7〜10の数字。それ以上も珍しくない。
震えるまつげを伏せる。
「…前はかわいいっていっぱい言ってくれてたのに」
記録 cute! #189
(最近スランプ気味…)
2/25/2025, 1:56:19 PM
いいな、と率直に思った。
未来への心配をせずに冒険ができる環境で育ってきた彼が妬ましかった。
…わかんないよ。きみみたいな恵まれた者には。
冒険できない俺みたいな奴の気持ちなんか。
「冒険しよ」
眩しい世界から手を差し伸べられて湧き上がったのは煮えたぎるような嫉妬と自分に対する絶望、失望だった。
さぁ冒険だ #188
2/24/2025, 1:11:29 AM
まるで魔法。
それは、俺には使えない魔法。
「っ、うぅ…、なんで、なんで…っ」
あいつが泣く声が遠くで響く、とある病室の前。
さっき先輩が入っていったところを見てしまった俺は、持ってきた紙袋片手に病室の前に佇むしかできなかった。
はは、と自嘲を漏らして、見上げた茜色の空。
…俺の前じゃ、そんなふうに泣いてくれなかった。
魔法 #187