しずく

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9/24/2024, 12:33:53 PM

人が他人に求めているのは、いつだって形の無いもの。



─形の無いもの─ #74

9/23/2024, 12:14:02 PM

あの日、ジャングルジムの上で眺めた星空を、もう一度君と。


─ジャングルジム─ #73

9/22/2024, 1:08:46 PM

「死にたい」
「消えたい」
「いなくなりたい」
「生きていたくない」

今日も声が聞こえる。
そっと視線を逸らした先で、あの日の死神がにたぁと笑ったやうな仮面をつけて浮かんでいた。
きっとその仮面の下は笑ってなんかなくて、人間の負のこころの声を受け止めるうちに身も心もぼろぼろになっているのだろう。
僕も死神と似たような力を手に入れてから毎日のように聞こえてくる人間の負の感情に押し潰されそうだ。

ああ、僕が人間だったころにこころの隅にこびりついていた負の感情は知らぬ間に誰かを傷つけてぼろぼろにしていたのかもしれない。


─声が聞こえる─ #72

9/21/2024, 1:08:44 PM

最初からまちがっていたのかもな───、
あの日、きみが目を逸らして吐き捨てた言葉が未だに心臓に刺さって抜けてくれない。
紅葉が、色褪せていく冬に備えて色づきだす季節の外れ。
くるしい。
告白してきたのはそっちじゃないか。
放課後の教室で、胸の鼓動がきみに伝わるんじゃないかと思っていたときの感情を今でも俺は覚えている。
親友だった。
だからこそこの想いは知られてはいけないとこころの奥に封印していた。
でもきみがその想いにそっと触れて、優しく掬い上げてくれて。

想いが通じた秋。
ふたりで暖め合った冬。
ふたりで散っていく桜を見に行った春。
普通の恋愛とは違うことを再確認させられた夏。
最初からなかったことにしようと告げられた秋。

こんなことになるのなら、やっぱり親友のままがよかった、なんて思ってしまうんだ。




─秋恋─ #71

9/20/2024, 10:31:09 AM

最近、感性が薄れてきているような気がする。
雨が降っても、ああ傘必要か、とか浅いことしか心に浮かべずに終わる。
それだからか、最近書いた小説よりも昔書いていた小説のほうが心に響くものがある。
むしろ昔の自分の文章にはっとさせられることだって少なくない。
書けない。
昔は自由だった。
自由に書きたいことだけを書いていた。
でも最近は、こうしたほうが一般的にはいいよね、だとか余計なことを考えて、結局内容が薄くなる。
忙しくなってひとりで考える時間がなくなったからなのか。
書きたいものがわからない。
書きたいものはあるのに、反応を考えて思考が複雑化して、書けなくなる。

何も考えずに好きに書けていた頃を思い出す。
あのときの感性を大事にしたい。



─大事にしたい─ #70

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