「秋🍁」
ふかふかとした土。
足元を見ると、
名前の知らないキノコが無数に生えている。
僕がそれをまじまじと見ていると、
知らない男が声をかけてきた。
「それ、なんて名前のキノコですか?」
「わかりません」
僕が知らないと答えると、
男は鼻でフッと笑った。
「あなたはこのキノコの名前を知っているんですか?」
そう聞き返すと、
男は顔を真っ赤にしてその場を去った。
「形の無いもの」
髪型、言葉遣い、お辞儀の角度、
社会人のマナーはどれも重要だ。
しかし、どういうわけか
心を磨かない者が多すぎる。
見た目こそ仕上げてきているが、
人を小馬鹿にしたような、
私が一番できてますとでも言いたげな、
変な自信の持ちようが鼻につく。
そういった人間はたいてい
裏で人の悪口を言っている。
会社の仲間や取引先、お客様など。
そして沢山の人が離れていっている。
でも、私は仕事はもらえているし、
仲の良い話し相手もいるし。
そう思っているのだろうか。
残念ながら
あなたは大きなチャンスを逃しているのだ。
「ジャングルジム」
子供の頃、
友達と登ったジャングルジム。
一番上まで登って、
何かスゴい者になれた気がした。
楽しかったなぁ
大人になった今、
私の前で楽しそうに登る娘の姿。
それを見て微笑む私。
ジャングルジムは、
今も私を楽しませてくれます。
「声が聞こえる」
俺は趣味のソロキャプをするため、山奥へと車を走らせていた。
ガタゴト、ガタゴト。
舗装されていない路面に苦戦しながらも、キャンプ地の入り口に到着した。
「おぉーい、おぉーい」
駐車場付近で女の声がする。
先客がトラブルでも起こして、助けを求めているのだろうか?
そう思った俺は、車を女の方へと走らせた。
しかし、何か様子がおかしい。
女の表情がよく見えないのだ。
違和感を感じながらも、車を女の方へと走らせた。
しかし、それが間違いだったということに、俺はすぐに気がついた。
女の「表情」が見えないのではなく、
「顔」そのものが無いのだ。
目、鼻、口。
全てのパーツがない。
のっぺらぼうと言えばいいのだろうか。
女がこの世のものではないと悟った俺は、急いで車を反対方向に走らせ逃げ出した。
その後、変わったこともなく数年が経ち、俺は女のことなんてすっかり忘れていた。
そしてある日、俺は友人と飲み会をすることになり、近所の飲み屋へと足を運んだ。
だいぶ酒が進んだころ、友人がとあるキャンプ場の話をはじめた。
「なぁ、△△ってキャンプ場知ってるか?」
「なんでも顔のない女の霊が出て、そいつに声をかけられた人間は、顔がなくなって死んでじまうらしい」
「はは、そんなバカな話s...」
と俺は言いかけたが、その瞬間、背後から聞き覚えのある声が聞こえた。
「おぉーい、おぉーい」
振り返ると、顔のない女が目の前に立っていた。
ヤバい、殺される!
そう思った俺は、友達のことなんて見向きもせず、店を飛び出した。
タクシーを捕まえた俺は、目的地を聞こうとする運転手の声を被せるように、「とにかくすぐに出してください!」と言った。
タクシーの運転手はそういったことには慣れているのだろう。何か言うわけでもなく、すぐに車を出してくれた。
しかし、次の瞬間。
目の前にあの女が現れた。
タクシーの運転手は慌てて急ブレーキを踏んだが、その反動で俺の体はフロントガラスを突き破って、車の外へと放り出された。
今まで味わったことのない痛みが、顔を襲う。受け身を取れなかった俺は、顔を地面に擦り付けられるように吹っ飛んだのだ。
しばらくして、救急車と警察が来たが、そこで俺の死亡が告げられた。
大事にしたい
あなたは少し非常識かもしれない。
しかしそれは大切にしなくてはならない。
それがあなたの個性であり、
それが新しいものを生み出す原料となるから。
他人はあなたを批判するかもしれない。
しかしその意見は大切にしなければならない。
なぜなら、その世界で生きていくためには、
そこのルールで生きていかなければならないから。
その世界では新しい考えは必要ないのだ。
一方はあなたらしく、
そして新しいものを生み出す可能性があり、
もう一方はイノベーションこそないものの、
すでにある世界でうまくやっていくために必要なのだ。
どちらが正しいか、間違いかではなく、
どちらも大切なのだ。