「リフレイン」
今日もまたゆっくりと
丁寧にそれを紡ぐ
ごろり
口のなかで転がせば
苦いような酸っぱいような
だが不快には感じない刺激
腰のあたりがぞくりとして
すこし躊躇いながら呑み込んだ
喉を通って少しずつ身体中に染み渡る
胸を締め付けられるような
息苦しさが押し寄せ
幾度も反芻された
鋭利な言葉が私を突き刺した
何度目か
身体中に愛しさと愁いがひろがって
またひとすじ想いが頬を濡らした
"嗚呼、君には私より大切にしたい人ができたんだね"
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10年以上前に書いた言葉を見つけた
ずっとうろ覚えで書き直してみたけど全然言葉選びや味わいが違った
ガリ
思い切って顎に力を入れると苦虫を潰したような表情に一転した
酷く熟しすぎた果実のような酸っぱい匂いと甘い匂いが広がる
ガリ
もうひと噛み。砂のようなざらざらという食感が溢れて不思議とねっとり絡みつく
吐き出してしまいそうな味だ
身体が受け付けまいと拒否してる気さえする
しかし
ガリ
また噛み砕く
苦くて酸っぱくて何処か吐きそうなほどの甘ささえ隠れていて
襲いかかる味と食感に意識が飛びそうだ
グッと堪えて
どうにか飲み込む…
はぁ…はぁ…
もう味わいたくない
こんなもの飲み込めない
君からの別れの言葉なんて
腰掛けた傍らにひとりがゴロン床で伸びをした
そばからふたりめがこてんと転がった
そうか、春だね
ママは過保護だからきみたちには
ちょっと狭いおうちかもしれないけれど
今日は気持ちいいから窓を開けて
ほら一緒に
「風を感じて」
ひとりまたひとりズラッと窓辺を取り合うななつの背中
きもちいいね〜
また明日も明後日も
来年も再来年も
ここから同じ景色を見て
同じ風を感じよう
ずっとずっと
そばにいてね
夢じゃない。
今日、きみがいない
6年と1ヶ月と8日
君がいた日々はいろとりどりの光を放ち
思い返せばあっという間だった
それはあまりに短すぎたように思う
きゅっと瞑るそのひとみのいとしさよ
どれほどの慈しみもたりないように感じる
もしこの先も時間があったとしても
届けられたかはわからないけれど
きっときみはじゅうぶんだと言ってくれるのでしょう
だから「もうおやすみ」私の言葉に
静かに瞳を閉じたのでしょう
今日、きみがいない
部屋はどこを見てもがらんと感じて
今までどう過ごしていたのかわからないよ
今日、きみだけがいない
おはようもごはんも
さみしいけれど
やっと苦しみから解放されたのね
今はお空でのびのびとすごしているかな
たくさんのありがとうをこれからもきみに
きみはこころにずっと
わたしのなまえ
1ねん2くみ 川ぶち さり
わたしのなまえはママがつけてくれました。
ママはわたしが生まれてすぐしんじゃいました。
わたしはママことをおぼえていないのでこのはなしはパパにききました。パパはママとけっこんしたときのしゃしんとそのまえのしゃしんをみせてくれました。
パパはわたしのなまえは「どんなときもつよくってきれいに花がさくみたいになってほしいきもち」だとおしえてくれました。
いまはママがいなくてさみしいけどパパが「さりのなまえはママがこころをこめてプレゼントしたかくされたてがみなんだよ」とおしえてくれたのでわたしはじぶんのなまえがすきです。なまえをよばれるとママもよんでくれてるきがします。
「隠された手紙」