ほんの小さなことでも
あなたが好きだから、
知りたいし、教えてほしい
そんな些細な恋心
誰かが守ってくれた私の心
折れそうになって、崩れそうになったとき
誰かが手を添えてくれた
そんなことがたくさんあって、
すべての人を覚えてはいないし、
知らないうちに助けられてるかもしれない
胸いっぱいの言葉と、
こぼれそうなくらいの愛
たとえ、こぼれても
たとえ、溢れても
落ちていった愛の分も
私が誰かに与えたい
あなたが私にくれた最後の言葉を
未だに見れずにいる
見なければ、いなくなってないって、
思えるから
通知の先にあなたが今も生きているって
思い込めるから
人間は最初に声を忘れていくらしい
わたしは、最後の言葉はあなたの声で直に
聞きたかったし、覚えていたかった
損なった自尊心と乏しい能力
灰色の世界で見つけた光
たった一つの極光に焦がれて
手を伸ばして、背伸びした末路
人生の全て、私の何もかもを犠牲にして
身を焼いて、魂を砕いて
漸く、眩い光を地上に落としたのです。
安いアパートの窓を
雨が強く叩いている
隙間から入り込んだ雨の匂いが
嫌な言葉だけが飛び交った部屋に
拡散していく
言葉が上手く口から出ずに、
喉の真ん中でぐるぐるしている
痺れを切らして出ていく貴方
乱暴に閉まったドアの衝撃で
棚が揺れる
音を立てて割れた香水の瓶
貴方に選んで貰った大好きな匂い
雨の匂いは、もうしない