無季

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8/19/2024, 3:07:53 PM



   むかし、
   雲に色をつけてしまおう、って思ったことがある。

   白や黒じゃ物足りないから、
   青色とか、赤色とかに染めてしまおう、なんて。

   大きくなって、 
   曙や黄昏を見るようになった。

   空を見上げて、眩しさに目を細めて、
   夕焼けに感傷的になって、
   東雲に嫌気が差すようになった。

   雲の行方を追うこともなくなった。
   雲の形を夢想することも減った。
   空を見る余裕もなくなった。

   それでも、ふとした瞬間に見上げた空は、
   快晴に限らずとも、少し特別に感じる。

8/18/2024, 11:53:49 AM



      くるり、ひらり
      スカートが翻って、
      首を傾げては品を変えていく

      耳には煌めく宝石を
      唇は艶めく桃色を
      胸には秘めた恋心

      鏡にうつるあなたは、
      世界でいちばんかわいい

8/17/2024, 10:29:48 AM


    壁に掛けられた千羽鶴 
    薄くホコリを被って
    せっかくのグラデーションは色褪せている
  
    何十年の時を経ても、
    貰ったときの気持ちが忘れられることなく、
    私のなかに確かに存在している。    

8/16/2024, 12:25:42 PM





     素敵なあなたの隣で、息をしてる
    
     あなたの美しい手に、触れている

     あなたの柔らかい言葉を、受け取っている

     あなたからの愛を、貰っている

   

     あなたの視線の先にいるのは、わたし

     その事実がどれほど誇らしいことか

8/15/2024, 11:15:18 AM




     黒く蠢く海の底
     漣だけが聞こえる

     冷たい波打ち際
     足が砂浜に沈む感覚

     このまま、波に攫われて
     あなたのそばにいけたなら

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