時計の針、
「...よし」
描いていた絵がひと区切りついた
時計を見るともう描き始めてから長い針が3周したころだった
「ん、一旦休憩挟むか」
そう言い立ち上がり一階に置いてあるチョコと飲み物を取りに行った
今日は何時まで描き続けようかな
そんなことを考えていると
ピコン!
と音がし友からLINEが来た
『今日会える?』
『なんかあったか?』
『遊びたいなぁて』
『良いよ、どこで遊ぶ?』
それから何回か会話を重ねた
集合は30分後になった(早すぎるだろ、)
今日は何時に帰ってこれるかなぁ
溢れる気持ち、
いつも隠してたこの気持ち
なんで今になって出てくるの?邪魔だよ
消えろ
消えろって
こんな気持ちいらないから
ねぇなんで?
忘れたはずじゃないの?
出てこないで
頬に水が垂れ溢れてこぼれた
ほんとに邪魔、じゃまなんだよ
悲しいなんて思いたくない
こんな気持ち、
kiss、
私は人との接触をあまり好んでいないと思う
回りの人が過剰なだけなのかは知らないけど
それに人を好きと思ったこと今まで一度もない
恋愛感情なんて経験してないから知らない
でも将来人を好きになれたならしたいと思えるのかな、
1000年先も
1000年、膨大な数に感じる
人間寿命が長くて100年そこらだから?
まぁ
そんなに生きてたくないけどな
自分の物がたとえ1000年残っても自分が知らなきゃ
嬉しくも何ともない
だって知らぬ間に残って
すごい、
そんなこと言われたって届きやしない
まぁ自分の気持ちがずっと先まで繋がるのは良いかもね
でも1000年その数は1万年から見たらちっぽけさ
長く感じても倍の数と比べると短い
今自分がいきれるこの時間は歴史から見たら
一秒にも満たないだろうね
勿忘草(わすれなぐさ)、
あ、あの花名前は確か...
俺は今見つけた花をを眺めながら昔のことを思い出した
───────────────────
俺らは二人で公園のベンチでどうでもいい話をしてた
「ねぇ愛せないってことはさ離れてしまったら覚えていられないの?」
「ねぇねぇ」
あーうるさい
「俺は人を愛するってことがまだできたことがない」
なんて言ったばかりにこんな会話をしなけりゃならないなんて
「だーかーらー、なんで愛せなかったら忘れんだよ」
「僕が人は愛され、愛さないと興味が失くなっちゃうと思ってるから」
「僕は君に忘れられたくない」
「はぁ?」
意味がわからない
なんで俺に?
「□□は男のくせに俺に愛されたいのか?」
「...」
「なんだよだんまりか」
君が何か口を開け何か言おうとしてまた口を噤んだ
「はぁ」
俺はなんでこんなことを言ったのかと後悔した
「...君はさ今まで友達になった人皆覚えてる?」
「んー覚えてないな」
「僕も、でも印象に残る人は覚えてるでしょ?」
「まぁそうだな」
「その人もいずれ記憶からいなくなっちゃうかもだけど、」
「特別な感情を持ってれば忘れられない」
「っーことは□□はその特別な感情は愛することだと」
「うん」
そういう考えもあるのか、
「でも俺は愛す方法はしらない」
「君みたいな人は初めて愛した人のこと嘘偽りなく愛せそうだね」
「□□は違うのか?」
「僕は、わからないね」
「でも訴えるようで悪いけど僕は君に忘れられたくない、忘れないで欲しい」
「ん、分かった」
「こんな話ししてごめんね~あ、そうだ!この花あげる!」
そう言ってある花を渡してきた
「これ勿忘草っていう花なんだ、」
「へぇ小さい花、可愛いな家に飾るかな、ありがとな□□」
「へへ...じゃぁそろそろ帰ろ!日も暮れてきたし暗くなっちゃう」
「そーだな」
その後□□は遠い場所に転校したんだっけ、
あの花の花言葉は「私をわすれないで」だったな、
そろそろ帰ろうまた会えればいいな
覚えてたよって伝えてやらなきゃ