nami

Open App
9/12/2022, 11:31:20 AM

それなりに恋はしてきたつもりだ。

けれど、ここまで誰かにのめり込むことはなかった。

この火焔にも似た感情は、本気の恋……とでもいうのだろうか。

だからこそ君を傷つける存在は許せない。

君がずっと笑顔でいられるように、今夜、僕は一人の人間をこの世から消す──


テーマ【本気の恋】

9/11/2022, 1:12:15 PM

目が覚めるとガリガリと壁に印を刻むのがすっかりルーティンとなってしまった。

そうでもしないと気が狂いそうになるからだ。

いや、自覚していないだけでとうに狂っているのかもしれない。

ここは地下室だろうか?

全く日光が差し込まない小部屋に私は監禁されている。

太陽の光がないせいで時間の感覚が喪失した私には、今が朝なのか昼なのか夜なのかもわからない。

四角い枠の中に印が七個並んだ。一応これで一週間としている。

ガリガリと今度は新しい枠を作るために壁を刻む。これで三つ目の枠になる。

また手製のカレンダーが増えてしまう。

新しいカレンダーが完成するのが先か──私が脱出できるのが先か──


テーマ【カレンダー】

9/9/2022, 11:44:33 AM

君は世界でたった一人しかいない。

そう、世界中をくまなく捜しても君という人間はどこにもいないのだ。

即ち、君の心も世界に一つだけしか存在しないということ。

僕は君の心を手に入れることはできなかった。

だから代わりに、世界に一つだけしかない君の心臓を手に入れることにしたんだ。


テーマ【世界に一つだけ】

9/9/2022, 9:14:57 AM

静まれ、静まれ……!

うるさい胸の鼓動を黙らせるように手を胸に当てた。

規則正しいリズムを刻む靴音が接近する。

静まれ、静まれ!

恐怖と緊張で暴れる胸の鼓動が“あいつ”に聴こえてしまったら……。

そんなことはあり得ないが、極限状態の私はそんな妄想を抱いてしまう。

“あいつ”に捕まってしまったら、明日という日を迎えることができないだろう。

そうならないためにも、早く“あいつ”から逃げなければ──


テーマ【胸の鼓動】

9/6/2022, 11:40:06 AM

チャイムが別れの時を告げる。

もっとあなたを見ていたいのに……

明日が来るまでしばしのお別れ。

早く明日になればいいと密かに願った。


テーマ【時を告げる】

Next