「どうして」

あの頃の私は、下を向いてばかりいた。

どうして？

だって、世の中くだらないと思ってた。

同じクラスの集団でしかトイレ行かない女子も、

下ネタ言えば面白いと思って騒いでる男子も、

真面目な子にばかり色々頼んでくる先生も、

全部全部嫌で仕方なかった。


でも、その下らなさこそが

人の面白さかもしれない、と今は思う。

どうして？って聞けばもしかしたら

人それぞれ色んな理由があったのかもしれない。

そんなことが理由？と思うかもしれないし、

隠された壮大な理由があったかもしれない。

人はみんな少しずつ違うから面白い。

違いを見つけられないときや、

つまらないときこそ、

「どうして？」

「夢を見てたい」

夢見てたこともあるけど、

白馬の王子さまなんておらんから、

私が私を幸せにしたる。

「ずっとこのまま」

このままでいたいと思ったことはある。

ぜんぶ叶わなかったけど。

永遠はないからこそ、大切にしなくては。

今、この時を大切に。

「寒さが身に染みて」

別に今日は、特別寒い日じゃない。

なのに寒さが身に染みるのは、きっとひとりだから。

右見ても、左見ても、身を寄せ合う恋人たち。

私もいつかあちら側になれるのだろうか？

そもそもなりたいのだろうか？

そんな事を考えながら、

ポッケの中のカイロで暖を取った。

「20歳」

ハタチになれば、大人になれると思ってた。

大人として振る舞うしかないことは増えても、

ハタチまでに自分が憧れた大人になれていない。

お酒もタバコも嗜んだけど、

それで大人になれるわけじゃない。

大人ってなんだ？子どもってなんだ？

きっと、境目なんてない。

どこまでいっても

ひとりひとり違う人間なんだから、

子どもでいられなくなる日も、

大人になる瞬間も、

人それぞれだろうな。