「冬休み」
中学生の頃の国語の先生の言葉を今でも覚えている。
「数年お休みするのなんて、
長い人生の中では夏休みとか冬休みみたいなものよ。」
その先生は、その後すぐに家庭の事情でご退職された。
出会って関わったのは、長い人生の中のほんの一瞬。
でも、間違いなく数少ない私の恩師のお一人。
「手ぶくろ」
かじかんだ手を温めてくれる彼はもういない。
別れたことに後悔はないけれど、
手に感じる寒さが勝手に寂しさを訴えてくる。
そんなことで寂しさを感じることが無性に嫌で、
今年頑張った自分へのご褒美に手袋を買った。
手袋をしてみた。してみたのだが…
「…寒さが原因の寂しさじゃなかったか」
本当の寂しさの理由なんか、知りたくなかった。
「大空」
空を見上げて君を想う。
連絡先ももうわからないけど、
きっとこの空の下のどこかで元気だと信じてる。
それだけで、私も元気でいられる。
「とりとめもない話」
私はじいちゃんばあちゃんっ子だ。
暇な日はわざわざ電車に乗って会いに行くほど。
別に特別なにかするわけじゃない。
でも、行くだけで喜んでくれる。
存在するだけで喜ばれるって何よりも幸せ。
冬は私とじいちゃんとばあちゃんでコタツに入って
とりとめもない話ばかりする。
何度も聞いたからオチまで全部わかってる話。
それでも毎回わざと初めて聞くかのように聞く。
二人が楽しそうに話してくれることが大事だから、
いつが最期になるかわからないから、
二人から聞いたとりとめもない話を忘れたくないから、
オチまで知ってるとりとめもない話を聞き続ける。
いついつまでも、この時間を忘れないように。
「部屋の片隅で」
部屋はやっぱり四角形がいい。
いや、三角でもいい。
でも、角が多いほうが僕の好み。
ちなみに、丸はダメ。絶対に嫌。断固拒否する。
くだらないって思われるかもしれないけど、
僕にとっては大事なこと。
だって、角がないと困るじゃないか。
隅っこで毛布にくるまって泣きたい日がある。
誰にも泣いてるのを見せたくない。
だから、僕は角のある部屋が好き。