赤い糸_60
貴方と繋がっていたい
私の思い上がりかもしれないけど
運命の糸は存在するの
だから
私がその糸を使って
貴方と私を縫うの
丁寧に慎重に
そうすると純白な運命の糸も
紅に染まり
愛を証明する1つの条件が完成する
ゼロ距離で時を過ごせるなんて
夢のような時間でしょうね
ああ
言い忘れていたわ
私は裁縫が苦手だから
少し時間がかかると思うの
ごめんなさいね
夏_60
今年の夏は恋人と過ごしたい。
花火大会に行く。
デートに行く。
いっぱい笑顔をみる。
たくさん話す。
あぁ書ききれない。
要するに
恋する乙女は可愛いのだ。
だから
そんな可愛い君と今夏を駆けたい。
ここではないどこか_59
いつも同じ場所でしか会わない君と
ここではないどこかで。
今日もSNSで連絡をとり
恋の駆け引きをする。
この恋と呼ばれるギャンブルに
参加しているのは自分だけな気がしてくる。
それでも話せてるだけで嬉しい
どこからきたでもない満足感に浸る。
もしこれで
私がオールインをして負けたら
どうなってしまうのだろうか。
この賭けから相手が降りてくれたら
私はまた生きる希望がある。
しかし
もしそこにレイズするようだったら
私は-。
私は、神は見ていると信じて
ここではないどこかで会いたい
と、最大の賭けに出た。
繊細な花_58
‘’君が悲しい、と言うならば
私は今すぐにでも会いに行って
強く抱き締めよう。”
そう私が言ったあとの君の表情は
どこか物悲しい雰囲気を漂わせた。
何故そう悲しい顔をするのか
気になって仕方がなかった。
ある朝、散歩をした。
天気が良かったのと、
運動不足解消のためだ。
道端には
小さな青の花が咲いていた。
私はゆっくりとその花を観察した。
しばらく立ち、気づいた。
私は優しさと欲を履き違えていたのだと。
誰にも言えない秘密_57
君を好きでいることが
本当に幸せで、つらい。
この幸せが君も持ち合わせているようなら、
そこまでの辛さを感じることはなかった。
君は誰にも優しく、目を見て話し、
私を思って名前を呼んでくれたように思う。
でも、やはり
君にも運命の人はいたようだね。
可愛らしい、女。
少し頼りないけど話しも趣味も合う、男
じゃダメか。