また明日_56
今日も、君へのアプローチをする。
好きが溢れて、何にも集中できなくなる。
だが、俺は決めてるんだ。
絶対に言わない。
気になっている方はいますか、と。
また明日、いつも通りに
可愛い笑顔を見られるように。
理想のあなた_55
理想は何も喋ってない時も、
ああして手を握って笑ってくれる、あなた。
もうこれ以上にないくらいに理想だから、
あなたがこうなれば良いのになんて
言えない。
笑った顔も、手の温もりも、
優しさだけじゃなくて
胸が苦しくなるほどに、どきどきする。
だから、少し嫌なのよ。
恋は苦しいことが多いから。
それでも、やっぱり
あなたが好きなの。
恋物語_54
初めて貴方と2人きりになれたのは
友達が目配せをして
笑顔で帰ってくれたから。
一生懸命、大きな背中を追って
ベンチに座った。
貴方の優しい眼差しに、また心が奪われる。
一番趣味が合うのは君だな
なんて、冗談で言わないでよね。
余計に意識しちゃうじゃん。
いつもの少し毒舌なところも、
私の前では優しすぎる言葉なのが
また彼のことを好きにさせる。
今度こそ、アイス奢ってよね。
愛があれば何でもできる?_53
そんなわけなかろう。
私は何も出来ていないじゃないか。
愛はあっても一方的なものであれば
無駄だ。
風邪で休んだであろう日に
心配の一言も言ってあげられなかった。
さらにいえば、
風邪かも確信が持てていない時点で
私が弱い者であると言うことであろう。
だから、もし勇敢で強い者であって
愛があれば何でも出来ると叫ぶ奴の横で
自分は…と落胆していたら
私を思い出して欲しい。
そして、私の弱さを笑ってくれ。
子供のままで_52
頭を撫でて、
目線を合わせるためにしゃがんで、
優しく微笑んだ貴方は今、
どうしてしまったの。
私が大学生になろうとしているから?
私のことが好きではなくなったから?
勿論、身長はあの時より高くなったし、
しゃがむ必要は、ありもしない。
だけども、私は大きな貴方の手をもう一度
感じたかった。
空っぽで、
何をしようも孤独な大人になる前に。