torisugari

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11/26/2024, 12:12:02 PM

自分の深い部分を相手に伝えるというのは
こんなに難しかっただろうか。
こんなに恥ずかしかっただろうか。

将来の夢はなんですか。
ケーキ屋さん。
お花屋さん。
そう答えていた子供の頃ですら、
ただありきたりな回答を言っていただけだ。

やっと。
というか、そもそもはじめてなのだ。
そう思った。

まだ明確でない頭の中の理想のイメージと
言葉に落とし込む難しさに
熱と冷静さが混在して
喋る速度が上がる。
パフェのアイスが溶け
スプーンを持つ手が熱くなる。

正面の真剣な目と頷きに安堵する。

信じられる人たちで良かった。
応援してくれる人たちで良かった。

あぁ、体が熱い。


微熱

11/11/2024, 11:55:12 AM

多分ずっと昔から
私たちには翼があるけど
それに気づいていない

それどころか抱える荷物は増えていき
体は重く、頭は硬くなるばかりだ

ただ夜でも雲が見える日があるように
いっぱい背負っていても
飛べる日があるのかもしれないし
背負ってきたものが
新たな翼となっているのかもしれない


飛べない翼

10/18/2024, 2:44:05 PM

本気なら 飛んで来いよ ほととぎす


秋晴れ

9/21/2024, 2:25:27 PM

スニーカーが汚れている。
はぁ、とため息を吐きながら汚れを払う。
溝に入った砂は擦るほど広がり
元のままの方が良かったのではと
また、ため息をつく。

忙しくなるとどうも机の周りや
冷蔵庫の中身、身の回りのものが
地味に荒れ始める。

鞄をかけ、洗濯機に洋服を投げかけ
スマホを布団の上にぽいっとして
久々に窓を開けると、少し空気が冷たくて
昼間に家に溜まっていたであろう重い空気が
少しずつ軽くなっていき気持ちよかった。

今日は寝る前に5分だけでもいいから
買ったまま読んでいなかった本を読もう。 
装丁が素敵で思わず手に取ったら
紙の触り心地がさらっとしてて気持ち良い
そんな本を買っていたのだ。

特に誰かに話すこともない
秋の一ページ目
紙の開く音、指の触れる感覚に
私は毎年恋をする。


秋恋

9/18/2024, 7:45:23 AM

いつか来たことがある。
それは夢のようだった気もするし、
君と繋いだ手の感触や、
優しい風の匂いを覚えているから、
たぶん現実だったのだと思う。

髪が風になびいて眩しそうな顔をする君を見て
愛おしいと思った。

なに?と優しく聞き返す君に
なんでもないよ。と答える。

ただそんな風景には少しにつかない
メロディーが僕の頭の中に鳴り続ける。

ヴィヴァルディ
チェロ・ソナタ第5番アレグロ

僕は現実を夢に変えて
君との未来を放棄した。

君と話したことはほとんど忘れてしまったのに
素早いメロディーと生温い風が
今でも時々僕の耳に吹き付ける。


花畑

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