寂しいって感情を知らなかった
3年前君に会って初めて寂しいという感情を知った
とても大切だった
私の中にもそんな感情があるんだと驚いた
大切な人に普通に会えることの幸せを知った
いまは寂しさを知り
すこしだけ優しくそして強くなれた気がする
ありがとう
寂しくて
自分の深い部分を相手に伝えるというのは
こんなに難しかっただろうか。
こんなに恥ずかしかっただろうか。
将来の夢はなんですか。
ケーキ屋さん。
お花屋さん。
そう答えていた子供の頃ですら、
ただありきたりな回答を言っていただけだ。
やっと。
というか、そもそもはじめてなのだ。
そう思った。
まだ明確でない頭の中の理想のイメージと
言葉に落とし込む難しさに
熱と冷静さが混在して
喋る速度が上がる。
パフェのアイスが溶け
スプーンを持つ手が熱くなる。
正面の真剣な目と頷きに安堵する。
信じられる人たちで良かった。
応援してくれる人たちで良かった。
あぁ、体が熱い。
微熱
多分ずっと昔から
私たちには翼があるけど
それに気づいていない
それどころか抱える荷物は増えていき
体は重く、頭は硬くなるばかりだ
ただ夜でも雲が見える日があるように
いっぱい背負っていても
飛べる日があるのかもしれないし
背負ってきたものが
新たな翼となっているのかもしれない
飛べない翼
本気なら 飛んで来いよ ほととぎす
秋晴れ
スニーカーが汚れている。
はぁ、とため息を吐きながら汚れを払う。
溝に入った砂は擦るほど広がり
元のままの方が良かったのではと
また、ため息をつく。
忙しくなるとどうも机の周りや
冷蔵庫の中身、身の回りのものが
地味に荒れ始める。
鞄をかけ、洗濯機に洋服を投げかけ
スマホを布団の上にぽいっとして
久々に窓を開けると、少し空気が冷たくて
昼間に家に溜まっていたであろう重い空気が
少しずつ軽くなっていき気持ちよかった。
今日は寝る前に5分だけでもいいから
買ったまま読んでいなかった本を読もう。
装丁が素敵で思わず手に取ったら
紙の触り心地がさらっとしてて気持ち良い
そんな本を買っていたのだ。
特に誰かに話すこともない
秋の一ページ目
紙の開く音、指の触れる感覚に
私は毎年恋をする。
秋恋