スニーカーが汚れている。
はぁ、とため息を吐きながら汚れを払う。
溝に入った砂は擦るほど広がり
元のままの方が良かったのではと
また、ため息をつく。
忙しくなるとどうも机の周りや
冷蔵庫の中身、身の回りのものが
地味に荒れ始める。
鞄をかけ、洗濯機に洋服を投げかけ
スマホを布団の上にぽいっとして
久々に窓を開けると、少し空気が冷たくて
昼間に家に溜まっていたであろう重い空気が
少しずつ軽くなっていき気持ちよかった。
今日は寝る前に5分だけでもいいから
買ったまま読んでいなかった本を読もう。
装丁が素敵で思わず手に取ったら
紙の触り心地がさらっとしてて気持ち良い
そんな本を買っていたのだ。
特に誰かに話すこともない
秋の一ページ目
紙の開く音、指の触れる感覚に
私は毎年恋をする。
秋恋
9/21/2024, 2:25:27 PM