白燈

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10/19/2024, 3:52:24 PM

すれ違い


考えの合わないあの人
昔からいつも、ぶつかり合う
いいときも知っているから
なかなか嫌いにはなり切れない

好きでいたかったなあって
何度も何度も諦め切れず
話しかけては失望する

すれ違い続けていくうちに
やがて心は離れていく
変わってくれることを期待したり
変えてみせると努力したけど
いつも振り出し、同じところ

大好きで、いたかったなあ
わかり合って、みたかった

10/15/2024, 6:24:59 PM

鋭い眼差し


舞台の上には 一人の男
脇を固めるは 二人のギタリスト
背後には ドラムとベース

男は暗闇のなか 止まぬ歓声を浴び
不敵な笑みを浮かべたまま
マイクスタンドに手をかけた

幕が上がり 光が照らす
歓声は最高潮に達する
男はその鋭い眼光で客席を睥睨し

曲が始まった

愛と死を歌い
舞台に生き 舞台で散った
僕の愛しのロックスター

櫻井敦司よ、永遠に
重低音が BUCK-TICKする



10/14/2024, 7:34:58 PM

高く高く


伝えたいことがあって
それは風に乗って、海を越え
山々の間を縫い、川の流れに沿って
遠く異国の大地まで

狭くなってしまったこの世界で
本当に大事なことは届き難くて
いつも雑音に掻き消される

届けたい、この言葉は
見上げた夜空より、高く高く
多くの人に、心に
深く静かに、染み渡るように
いつの日か伝わることを願っている


誰もが、幸せになれますように

10/13/2024, 5:36:56 PM

子供のように


大人になると
思うように泣けなくなる

人目とか 体面とか プライドとか

余計なものが邪魔をして
心をさらけ出すのが難しくなってくる

『泣きたいときに 泣いておけばよかった』

歳を取ると
思うように泣けなくなる

痛みとか 苦しみとか 別れとか

そんなものに慣れてしまって
心は柔らかさを失い麻痺してしまった

『泣きたいときに 泣いておいた方がいい』

子供のように泣きじゃくる
そんな大人を かっこ悪いとは思わない
いつまでも無くさず この胸に

10/12/2024, 3:12:42 PM

放課後


終業の鐘が鳴る。
生徒たちは疎らに帰り始め、やがて教室には、僕一人が残された。沈んでゆく夕陽が、僕の頬を照らす。
誰もいない教室。
なにをするわけでもなく、ぼんやりと窓際の席に座り、外を眺める。通学路からは、帰っていく生徒たちの話し声が聞こえ、遠ざかっていく。
友だちとなにかあったわけでもない。教師に怒られたわけでもない。親と喧嘩をして、家に帰りたくないわけでもなかった。
ただ時折、なんとなしに感傷的な気分になり、一人教室に残っては、ぼんやりとすることがたまにある。
秋の夕暮れ。
肌寒くなってきたせいだろうか。
季節の変化と、時間の流れは、時に人を感傷的にさせる。
酷く寂しいような、悲しいような。
生徒たちで賑やかだった教室に、一人残っては、そんな感傷に浸る放課後。
陽ももう沈みきる。
辺りは暗くなり、更に寒くなるだろう。
僕は席を立ち、鞄を手に取ると、教室を出た。
人気のなくなった校舎は、誰の気配もなく静かで、いつもと変わらないものだった。
家路に着き、いつもと変わらない日常へと、戻っていった。

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