8/12/2023, 11:11:29 AM
君の奏でる音楽が好きだった。それは、楽器とかそんなのでは無くて。君の体から流れる音楽が好きだった。衣服の擦れる音、笑う声も泣き声も、心臓の音も。
君から発する音全てが、私を魅了して離さなかった。離れなかった。離れられなかった。
だけど、いつからか君の奏でる音楽は少しずつ小さく、少なくなった。
それに私は気付かなかった。心地良さだけを信仰していたから。気付いた、いや、変わっていくと認めてしまったら、結局私は君の音楽に少しずつ耐えられなくなってしまうだろう。その未来が、もう既に見えていた。
だから、私がこの音楽に終止符を打つことにした。私は指揮者で君は演奏者。2人でひとつの作品になる。ほら、もうそろそろ終わりの時間だ。拍手喝采が聞こえるだろう。
演奏者がいて、指揮者がいる。指揮者がいて、演奏者がいる。
それが私の全てだ。
いつからから、鳴り響いてた音楽は止み、指揮者も観客も何もかもが居なくなった。
なーんてね。音楽っていうのは語り継がれるものだから、きっとまた同じ楽曲が流れるさ。
8/7/2023, 11:19:51 AM
私の寿命は最初から決まってたらしい。
どこかの誰かから聞いた、この世界に生まれる者たちは、神様とやらに自分の寿命を教えてもらうと。
そしてその寿命でも、生きたいと承諾した物だけがこの世に生まれるのだとも。
じゃあ、私の寿命はどう足掻こうともきっと変わらないのだろう。今この瞬間、私がここから飛び降りてもそれは最初から決まってた寿命という事になるのだろうから。
全く、つまらない人生だ。