日中、まだまだ暑いけれど
陽の沈む時間は早くなってきているし
早朝や夜は涼しげな空気が漂っている
あんなにも五月蝿かった蝉の声も
いつの間にか止んでいる
暑いか、寒いか。
秋なんてない。
そう思いがちだが
私には
端々に秋を感じられる気がするのだ
ちいさな、ちいさな秋を。
───『秋🍁』(2024.09.26.)
病に伏せてからどれだけ経っただろう。
唯一の楽しみと言えば
窓の外を眺めること。
遠くの山々は季節の移ろいを見せる。
青く広い空は一日の時間の流れを見せる。
人の営みも同じように。
朝、昼、晩で変わる。
時が止まっているような
部屋から見える景色は
いっそう、輝いて見えるのだ。
目には見えないし
触れることもできない
でもたしかに、そこにある
信頼、絆、愛
綺麗なものばかりじゃない
悪意、嫌悪、不安
悪いものも当然ある
心に残るものは
いつも暗いことだけど
良いことも、しっかりと受け止めていきたい。
『形のないもの』
近所の公園にある遊具。
ブランコに、滑り台。
シーソー、あと…タイヤ?みたいなやつ。
幼い頃は夢みたいな場所だった。
その中でも印象的なのは
大きな、ジャングルジム。
最近では危険だから、というので
撤去されつつある遊具たち。
命に関わるものはと思わないこともないが
遊びの場をなくすのは
子どもたちにとってどうなんだろう。
大人になった今では関係の無いことを考えながら
入口近くにあるベンチに腰掛けた。
昔より身長も伸びて、
こんなにも小さな世界だったのかと思う。
周りには誰もいない。
少しだけ、と立ち上がり鉄の棒を掴み足をかける。
あの時より冷静に動ける。
でも、あの時よりも視線が高くて、怖い。
結局、てっぺんまでは登れなかった。
声が聞こえる。
遠く、私を呼ぶ声が。
ひどく、ひどく寒い。
体も動かない。
何をしていたんだっけ。
たしか──…
そうだ、戦い続けていたんだ。
みんなを守るために。
仲間と、共に。
けれど、そう簡単に事が運ぶわけもなくて。
敵の凶刃に倒れてしまった。
かなりの致命傷。
もう、目を開けることも億劫なぐらい。
意識が途切れそうになる。
私を呼ぶ声は、止まない。
諦めるわけには、いかない。
みんなの為に。
私の為に。
その声に、応えよう。