#理想郷
世界に漫画と小説、あとは少しの飲食物。
仕事という概念もインターネットも無く、トイレや風呂も必要ない。
ただ日がな一日本だけを読んで過ごし、偶の気が向いた時に執筆する。
そんな世界があれば良かったのに。
#もう1つの物語
もしもあの時、君に告白していなかったら、君と今結婚出来ていなかったかもしれない。
もしもあの日に生まれて来なければ、君と出会えなかったかもしれない。
もしも、もしも。
もしもを考えると沢山あるけれど、どれもこれも大切な僕の選択。
そして、その選択をしなかった、出来なかった場合の僕のもしかしたらあったかもしれないもう1つの人生という名の物語をたまに考えては、不安になる。
それでも、君が今僕の隣で笑ってくれているということ。
それが何よりも幸せで、僕の些細な悩みも吹き飛んでいくんだ。
#暗がりの中で
わざわざ自分で「今日から寝る時は真っ暗にするの!私はおねえちゃんだから!」と宣言した君に、いつの間にそんなに成長していたのかと驚き半分嬉しさ半分で、そっかと答えたけれど、やっぱりまだ暗がりが怖くて泣いてしまった君。
ぱぱ、一緒に寝てあげる!
そう言って私の布団に潜り込んできた君。
どれもこれも私にとっては大切な思い出。
だけど、この思い出も作れるのはあと少しかな。
そう考えると少し寂しい気もするけれど、君の成長だと思うとそれすらも微笑ましいな。
これから反抗期も来るかもしれない。
だけど、私の唯一の願いは君がいつまでも健やかに過ごすこと。
だから、あと少しだけぱぱっ子でいてくれよ。
#紅茶の香り
ふわりと紅茶の香りが漂った。
辺りを見渡しても紅茶は無い。
どこから漂ってきたのだろうか。
あぁ、またふわりと香ってきたのは、君からか。
君が手のひらに伸ばしたハンドクリーム。
珍しい紅茶の香り。
「出しすぎちゃったので、貰ってくれませんか?」
それに、いいよと返すと君と同じ紅茶の香りが自分の手から漂ってきた。
これは、ハマりそうだ。
#愛言葉
君と僕との愛言葉。
決めてから何十年と経つけれど、今まで一度も変わったことは無かったね。
きっと、これからも変わることは無い『あいしてる』という言葉。