#涙の理由
外は大雨、帰れなくなった僕は教室へ足を運んだ。
雨足が弱まるまで教室で時間を潰そうと思ってのことだった。
だけど、教室には先客が居た。
窓の外に見える大雨のように涙を流す君が。
一瞬、教室に入るのは躊躇われたけど、君の泣き顔を見続けるなんてことはしたくなくて、僕は教室へ1歩足を踏み入れた。
#ココロオドル
何もかもが嫌いで、生きることさえ苦痛な僕の心が唯一踊るのは君と会えた時。
普段は会えないけれど、各月の第3日曜日にだけ会える君と過ごす時間が僕にとってはとても楽しいんだ。
前日は胸が踊って眠れないくらい。
ねぇ、もっと君に会いたい。
僕がそう言った時の困ったような君の笑顔が今でも印象的で忘れられない。
その日以降、僕が連絡しても、いつもの待ち合わせ場所で待っていても会えなくなってしまった君は今どこに居るの?
#束の間の休息
この時期は休めないことが多い。
仕事に趣味に、家事育児。
休みたくても休めない。
もちろん趣味に費やす時間を減らせば、休むことは出来るけれど、それだと私の心の休息にはならないから。
日々磨り減る私の心。
その心を休ませるためには必要なのが趣味の時間。
#力を込めて
君が泣いていた
誰にもバレないようにひっそりと泣いていた。
僕はそれを知っていたけれど、君がバレたくないのならと気付かないふりをしていた。
だけど、今日だけはごめん。
気付かないふりを僕は出来なかった。
そんな男とは別れれば良い。
僕じゃ、だめなの?
君は逃げようとしたけれど、逃げないでと僕は君を引き留めた手に力を込めた。
#過ぎた日を想う
君との別れから早くも5年の月日が過ぎた。
この5年、君に会いたいと思わない日は無かった。
だけど、君の最後の言葉を思い出すと君に会いに行くことも出来なかった。
だけど、遂に君に会いに行けるんだ!
君と同じ病気に罹ったと分かった時、周りからは気を落とすなと言われたけど、むしろ僕の心中は歓喜の一言に尽きる。
約束通り寿命まで生きたんだ。
君もまた会えたねと笑ってくれるよね?